ここから本文です
5

tos***** 強く買いたい 2018年7月28日 13:34

【これでしょうか?】
電子部品大手6社の2018年4~6月期の受注額は前年同期比13%増の約1兆5400億円だった。7四半期連続の増加で4~6月期として過去最高だった。米アップルのiPhoneを中心にスマートフォン(スマホ)向けが低迷したものの、急増する自動車向けが補った。年末の需要期に向けて旺盛な需要が続く見通しだが、米中貿易摩擦など先行き不透明感もでている。

イブニングスクープ
翌日の朝刊に掲載するホットな独自ニュースやコラムを平日の午後6時ごろに配信します。
 村田製作所とTDK、京セラ、日本電産、アルプス電気、日東電工の6社の受注額(一部は受注額に近い売上高)を日本経済新聞が独自に集計した。受注額は1~3月期にiPhoneXの減産などの影響を受けて伸びが鈍化したが、車向けの受注が急増して補う流れとなっている。
 村田は約15%増となったようだ。同社が世界シェア4割を握り、電子機器の基板に設置し、ノイズ除去などに使うセラミックコンデンサーは品不足感が強まっている。スマホで最大1000個使っていたのが、車では最大1万個と10倍に増えるためだ。普及が進む電気自動車に加え、通信機能を持つ「コネクテッドカー」が登場すれば、さらに搭載個数は増える。

 19年度末までに最大1千億円を投じて福井県、島根県、フィリピンなどで増産投資を続けるものの、「投資や原材料、人件費増を顧客にも負担してもらわざるをえなくなった」(幹部)として、18年ぶりとなる異例の2~3割の全製品値上げに踏み切る。太陽誘電も新工場を建設し、一部を値上げするなど同様の動きが広がっている。
 TDKは約3割増えたようだ。車の通信や運転支援システム向けの部品が増えた。京セラも26%増と、得意とする車用のセラミック部品やカメラを中心に受注を増やした。アルプス電気もスマホ向けの振動部品やスイッチ部品が減少した半面、「車載向け部品がスマホの落ち込みを補った」という。
 7~9月以降はスマホの新製品が登場するのに伴い、秋から年末にかけて部品需要が回復に向かいそうだ。車向けと合わせて各社の受注は同期も最高水準に達する見通しだ。
 あらゆるモノがネットにつながる「IoT」や人工知能(AI)の登場でデータセンター需要に対応するためにメモリーの増産も続く。電子部品だけでなく半導体に使うシリコンウエハーが不足し、一部値上げの動きもある。
 東海東京調査センターの石野雅彦シニアアナリストは「電子部品や半導体の需要は急速に増えているが、生産能力は急には増やせない。需給が締まった状況が1~2年は続くのではないか」と指摘する。日本電産は車向けの旺盛な需要をこなすため、「次世代車用の電動ブレーキなどの本格増産に取り組む」(永守重信会長)。
 スマホなどデジタル機器の完成品は米アップルや韓国サムスン電子など米中韓勢が強いものの、機器を支える電子部品・素材は日本のメーカーが強みを維持する。部品供給が滞れば、スマホや自動車といった製品の供給にも影響を及ぼしかねない。さらに米中貿易摩擦が実体経済に影響を及ぼすようになれば、市場を揺るがすリスクとなりそうだ。