ソニーグループ(株)【6758】の掲示板 2022/11/08〜2022/11/16

ソニー、タイに半導体新工場　国際分業で供給網強く
【イブニングスクープ】
2022/11/11 18:00［有料会員限定］

ソニーグループは2024年度にタイに半導体の新工場を設ける。主に自動車の運転支援などに使う半導体をつくり同国での生産規模を7割増やす。日本で主要部材のウエハーに回路をつくる前工程を終え、人件費の安いタイで最終製品に加工し、世界に輸出する。半導体は一部で需要が減っているが車用は底堅い。生産工程の国際分業を進め、需給が逼迫しても製品を安定供給できる体制を整える。

半導体事業会社、ソニーセミコンダクタソリューションズがタイ中部にある生産拠点の敷地内に約100億円を投じて新棟を建設する。既に着工し24年度に稼働する。車に搭載して歩行者や障害物を識別する画像センサーと呼ばれる半導体などを生産する。2000人の従業員を新たに雇用する。

半導体の製造は主要部材のウエハーに回路をつくる前工程と、回路が形成されたウエハーを薄く削ってチップに切り分け、樹脂で覆う後工程に分かれる。前工程は高度なノウハウが必要になる一方、後工程は一般的に人手が多くかかり、人件費を抑えられるかが競争力を左右する。

ソニーは車向けセンサーで現在、前工程に加えて後工程の多くを熊本県など国内の工場で手掛ける。将来は国内は前工程に集中し、最終的な加工はタイを主力拠点とする。

新型コロナウイルス禍では世界で半導体の供給が滞り、電子機器や車の生産が落ち込んだ。半導体生産の国際分業を進め、災害や感染症の拡大が起きても、顧客に製品を供給し続けられる体制づくりが重要になる。世界の半導体大手では米インテルなども有事に備えて生産拠点の分散を急いでいる。

半導体はコロナ禍で需給の逼迫が続いてきたが、足元でパソコンやスマートフォン向けの需要は落ち込みつつある。一方で運転支援技術の高度化や自動運転など車のデジタル化で自動車向けの引き合いは堅調だ。「CMOS」と呼ばれる画像センサーの市場規模は26年に269億ドル（約4兆円）と21年比で3割増える見通し。ソニーは同画像センサーの世界首位で、シェアの約5割を持つ。