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オンキヨーホームエンターテイメント(株)【6628】の掲示板 2021/07/31〜

>>12888

女将日記~上京編~③

初秋の爽やかな風が吹き抜ける中、僕と女将は秋葉原駅に降り立った。電気街口の改札を抜け、神田川を背に中央通りを北上する。

「あ、そう言えば女将さん、今から行くお店って確か来店予約をしなきゃいけなかったかも」
「それなら大丈夫よ。私に任せて」
「は、はぁ…(何かおかしいぞ)」

目的地に着いた。まるでコロナなんてなかったかのように大勢の人で賑わう秋葉原の中、何故かこの一角だけ異世界に来たかのように静寂だ。やはり何かがおかしい。

「うわ~本当に入口の半分自販機が塞いでるんですね!」
そう茶化すも女将の表情は何故か曇っている。
「本当ね。ここからだとお店の中が暗くてちょっとよく分からないわね。まぁ、いいわ。入ってみましょう」

ウィ~ン
「いらっしゃいませ。ご予約のお客様でしょうか?」
と、その刹那、僕は後頭部に鈍い衝撃を受け、その場に倒れた。

・・・・・・・・

(ぃっ、痛てててっ。ん?手足が動かない。縛られてるっ!)

「やっと、お目覚め?僕ちゃん」
「お、女将さんっ、どうして!?」
「どうしてはこっちのセリフよ。あなた達、一体何者?警察?公安?ただの株仲間ではないわよね?まぁ、そんな事、今となってはどうでもいいわ。あなたはここで死ぬんだから」
「いや、ちょっと待って下さいよ、女将さん。僕らは本当に何も知らないんですから」
「嘘おっしゃい!オンキヨーの事を嗅ぎ回っていたでしょ!」

そして女将は僕をじっーと見つめた後、顔を近づけ、こう言った。
「一回くらいエッチさせてあげたかったけど、それももう叶わぬ夢ね。サヨナラ…」

そう言った女将の顔は何故か悲しそうだった。そして踵を返すと見張り達に
「神からの連絡が来るまで処刑は待って。その間、逃げられないようにしっかり見張っておくのよ」と言い残し、その場を去った。

つづく

  • >>12914

    女将日記~上京編~④

    どれくらいの時間が経ったのだろう…小さな明かり窓から月の光が差し込んでいる。夜の9時くらいだろうか。

    (さてと、縛られているのは手と足か。見張りの数は1,2,3人。それと表にも居るだろうからざっと5人ってとこか。5人なら何とかなる人数だけど、おそらく裏口にも2,3人はいるだろうなぁ。流石の手桶様も手足の自由無しに7,8人相手にするのは分が悪いなぁ。後頭部の痛みも取れないし。てか、ちびまる子ちゃん終わってるのに、何の連絡もないな、あの2人めーっ)

    ガラガラガッシャーン!!ドカッ!バキッ!ボコッ!!フンガーっ!!ベキッ!!

    「お~いw 手桶君!無事だったか~w」
    「オ、オヤジっ~い!!遅いよ~っ! ハッ!裏口にも敵がっ!」

    バサッ、ドサッ… カチャ
    「まさ兄っ!!」
    「もっとこうクールに登場出来ないもんかね」
    「うるさいっw 回りくどいのは苦手だw それより手桶君、ケガの方は大丈夫か?どっか痛いとこないか?」
    「ちょっと頭が…」
    「一度、どっかで看てもらったほうがよかろうもんよ」
    「まさまさ君の言う通りだな。それにこっちが思っていたより敵の組織も大きそうだ。一度、体制を立て直さないとだな。ここから近いトコってぇと…十条のオジキんトコだな」

    「あっ、あっ、あっ」
    「どうした?まさまさ君!」
    「オジキんとこ行くんなら、手土産持っていかないとニャーニャーうるさいぞ!」
    「そうだった!どっかに何かいいお土産屋さんないかな?」
    「そ、それならこのビルの隣に海鮮丼屋さんがありますけど」
    「おおっ~!ナイスだ手桶君w オジキは海鮮に目がないw それを買ってオジキんトコへ急ごう!」

    こうして僕らは十条のオジキこと闇医者のニャー先生のところへTAXIを拾い、向かったのであった。

    つづく