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(株)東芝【6502】の掲示板 2017/04/17

バイセルとナンチャッテ米国基準による粉飾決算

日本の上場会社は、金融商品取引法第193条、内閣府令、第52号により一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従うものとされるが、東芝の連結財務諸表は米国会計基準で作成されている。しかし、東芝株は米国ではADR株(米国証券会社が売買)でSECに登録していない。米国市場に上場する会社はSECに厳しくチェックされるが、東芝は米国基準を使っているだけなのでSECの厳格なチェックがない。東芝は米国における集団訴訟についても、米国証券関連法令の適用がないこと等を理由に集団訴訟を棄却させている。

本来、米国会計基準には2000以上の基準書があり、ページ数は2万ページ以上(IFRSの10倍)に及ぶ膨大なもので、難解である。日本人で完全に理解するものは稀であるが、東芝の会計基準は藤沼会計士(前日本公認会計士協会会長、中央大学大学院教授)が馬鹿にする「ナンチャッテ米国基準」である。
また、東芝の監査で使う監査基準は日本基準になるのか米国基準になるのかという問題もある。東芝はこのような「ナンチャッテ米国基準」で1兆円もの損失を出したことになる。

現在、日本では日本基準のほかにIFRS、と米国基準の利用が認められているが、税法基準も公正な会計慣行として使われる。長銀事件最高裁判決(判例集 刑集第62巻7号2101頁)にも「これまで公正ナル会計慣行として行われていた税法基準の考え方によったことは違法ではなく,同銀行の頭取らに対する虚偽記載有価証券報告書提出罪及び違法配当罪は成立しない。」との記載がある。日本では多くの会計基準・会計慣行から都合のよいものを組み合わせ粉飾決算を行い、悪質ではあるが違法にならないことがよくある。

バイセル粉飾は、決算時に原価での棚卸しが原則である有償支給在庫を売価で計上し、利益を水増しする手口で、東芝粉飾決算の中で最も悪質だとされる。監査法人はバイセル棚卸を買戻条件付販売契約の有無により判断する。買戻条件付販売契約が有れば原価、無ければ売価で棚卸ということになる。しかし、バイセル粉飾を国内下請け企業に行ない、買戻条件付販売契約が無い場合、下請け企業の棚卸が水膨れすることから法人税が過払いになり、有償支給在庫の水膨れ分の消費税が過少になる。「平7.6.20裁決、裁決事例集No.49 525頁」には有償支給であっても、発注会社の下請け会社の売り上げとし有償支給の期末在庫を下請け企業の在庫とし、発注会社の売価で棚卸することができる事例の掲載がある。東芝バイセル粉飾決算も台湾の下請けともっともらしい契約書を作成していた場合、刑事でも民事でも東芝の役員、担当者、監査法人は何の罪もないことになるかもしれない。
また、買戻条件付販売契約がなければ公正取引委員会が、東芝を下請法違反で処罰する可能性があるが、東芝バイセル粉飾決算は日本の下請けではなく台湾の下請けとの取引による。公正取引委員会も台湾の下請けまで調べることなないのではないと考える。

証券取引等監視委員会は東芝に約73億円、新日本監査法人に21億円の課徴金納付命令を勧告したが、刑事告発を目指す監視委員会に対し検察は「証拠上、疑問点が多い」刑事告発に否定的だ。検察幹部は「バイセル取引に唯一の会計基準があるわけではなく、絶対に違法だと断言できなければ事件化はできない」と指摘する。

税法と「ナンチャッテ米国基準」による巧妙な東芝の逃げが成功しそうだ。
東芝は1兆円もの損失を出したから課徴金になっただけで、100億円ぐらいの損失だったら、課徴金もなかったのではないか?