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(株)メドレックス【4586】の掲示板 2017/03/16〜2017/03/29

Opioid系経皮吸収剤の、知れば知るほどへこむ話。

断っておきますけれど、わたしが下記で述べた開発ヒストリーはFentanyl(フェンタニル)のものではありません。Buprenorphineです。Opioidに多少なりとも知識のあるかたは、この二つを混同することは無いと思いますが(^^)。この掲示板にはニセモノも多いようですね。

Opioid経皮剤の開発には膨大な時間とお金がかかります。Buprenorphineの経皮剤を開発したのはPurdue社。商品名はButransです。

NDA申請は505(b)(2)「簡易申請」に準じて、非臨床試験は既に他社が行った他剤形のものを活用し、Subtexという経口剤からの「剤形変更」という形でDNA申請を行いました。

さて、この時Purdue社は何本の後期臨床試験、つまりPhase II & Phase IIIを実施したと思いますか???Buprenorphineは中枢神経系に働くopioid agonistですから、当然その血中濃度から薬効は推定されるわけですが。。。
FDAからの要求を含めますと、Purdue 社が行った後期臨床試験の数は実に24本です。このうちの4本は、投与期間が1年以上に及ぶ膨大な長期投与試験です。まあ、Phase I のPK試験だけで19本やらされたわけですから、米国FDAがopioid系鎮痛剤に対して如何に厳しいかが分かりますよね。FDA のハードルは世界で一番高いです。その厳格さにかけてはPMDAの比ではない。

Opioid貼付剤のNDAに際しては、用量違いの製剤が最低でも4,5種類同時申請が必要となります。それぞれの治験薬を作る手間は通常の4倍。規格試験方法も通常の4倍。長期安定性試験も通常の4倍。リリーステストも4倍。。。。それだけでも相当の投資ですね。

この板にはanaさんをはじめ、オキシコドンのテープ剤の早期承認に期待する方も多いともいますが、そのNDAは非常に長く遠いところにあると思います。開発費もゆうに100億円は超えるでしょう。NASDAQを震撼させた新規の依存性の少ないopioidが出てきた今、そのお金をポンと出してくれる提携先が見つかるといいですね。

505(b)(2)「簡易申請」の「剤形変更」でこれだからね。

ふ。ふ。ふ。