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カルナバイオサイエンス(株)【4572】の掲示板 2024/03/19〜2024/03/30

歴史的な株高に沸いた2023年度が終わり、週明けから新たな年度となる。本決算の発表を経て株主総会を迎える国内3月期企業にとって、今年の総会シーズンは波乱含みになるかもしれない。これまで安定株主とみなされた投資家が「安定的」ではなくなる可能性を、江崎グリコが示唆したからだ。
「第6号議案」――。12月期企業のグリコが3月26日に開いた株主総会で、株主側が出した提案が注目を集めた。第6号議案は、配当内容などを取締役会だけでなく株主総会でも決められるよう定款を変えるというもの。会社側が事前に反対を表明していたこともあり否決されたものの、総会では42.9%もの賛成票を集めた。
これが驚きをもって受け止められたゆえんは、グリコの株主構成にある。
23年末時点でグリコ株は金融機関が31.54%を握り、主要投資家層のなかで最大だ。「その他の法人」とあわせて株主の半数近くを占める。持ち株比率上位には大日本印刷大正製薬ホールディングスといった事業会社も名を連ねている。対照的に外国人株主の比率は2割ほどだ。
金融機関や事業会社の持ち合いなどによる株主は、一般的には安定株主とされる。会社側が反対するなかでも議案が多くの賛同を得たことで「安定株主の一部も賛成に回ったのでは」(外資系証券)との臆測を呼んだ。
今回の株主提案を仕掛けたのは、アクティビストの米ダルトン・インベストメンツだ。23年6月の戸田建設の総会では上限215億円の自社株買いを求める提案を出したものの、2割ほどの賛成しか集められず否決されていた。
アクティビストの動向に詳しいみずほ証券の菊地正俊チーフ株式ストラテジストは「ダルトンはこれまでワンパターンな提案が多く賛成率は低かったが、他の投資家の賛同を得られるようやり方を変えてきている」と指摘する。
グリコの総会には、東京証券取引所が要請する「資本コストや株価を意識した経営」の取り組みを検討・開示することを求める提案も出し、3割の賛成を集めた。提案ではグリコの自己資本利益率(ROE)の低さを指摘し、東証改革という一般投資家が理解しやすいテーマに乗った形だ。
グリコの株主総会で「イレギュラー」が起きたことで、「6月ごろ本格化する3月期企業の総会ではサプライズが増えるかもしれない」(ゴールドマン・サックス証券の石橋隆行ヴァイス・プレジデント)との市場の見方がある。
東証の株式分布状況調査によると、日本市場での外国人株主の比率は大きく増えつつあるものの、いまだ3割。依然として事業会社や銀行、保険などで半数を占める。日本企業のガバナンス(統治)改革には、安定株主の意識変化が欠かせない。
兆候はある。ニッセイアセットマネジメントは2月に議決権行使基準を変え、PBR(株価純資産倍率)が1倍未満で、東証要請への対応がない投資先には25年6月の総会から代表取締役選任に反対するとした。井口譲二チーフ・コーポレートガバナンス・オフィサーは「代表取締役への反対は重い判断だが、それだけ企業価値向上に向けた企業の取り組みが重要と捉えているということだ」と話す。
三菱UFJアセットマネジメントもROEやPBRを行使基準に取り入れた。「運用業界は横並び意識が強く、同業や他の金融機関にも波及しうる」(みずほの菊地氏)。「株主総アクティビスト化」の時代が近づいているかもしれない。

日経新聞より。そういう事らしい。