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(株)医学生物学研究所【4557】の掲示板 2019/10/08〜2019/12/27

  • >>607

    ありがとうございます。
    SCRUM-JAPAN での、本企業の検査の意義は、癌であるかどうか、ということをみるのが目的ではありません。
    ご承知のことかと存じますが、現在日本人の二人に一人ががんになる時代です。がんであるかの診断が簡便に行えるのはありがたいですが、がんになってしまった人を適切に治療することはもっと重要であると考えます。
    しかし、これまでの癌治療は、殆どのすべての人(同じ癌種の人)に、皆同じ抗がん剤を使用してきました。つまり、効く人には効くけれど、効かない人には効かない、という、言い方は悪いですが、究極的な言い方をすれば、当てずっぽうの治療でした。2000年頃から、少しずつ、分子標的薬という特定の分子を狙い撃ちする抗がん剤が上市され、近年は個人ごとのもつ遺伝子をみて、その遺伝子を持っているか、持っていないかで使える治療が選択されるようになってきました。例えば、中外製薬が少し前に発売したNTRK阻害薬は、NTRKという遺伝子に変異をもつ方に有効な薬ですが、その遺伝子変異は100人に1も?もつ人はいません。ただ、その遺伝子変異を持っている方に対する効果は良好で、従来の当てずっぽうの治療よりも副作用が少なく、効果が期待できます。そのような遺伝子変異を見つけること、それらの変異に対する治療薬を開発することが現在の癌治療の流れであり、SCRUM-JAPAN の目指すところであると理解しています。がんにかかった方により適切な治療(個別化治療)が行えるようにしようというのが、日本の、世界の(もともとはオバマ大統領がプレシジョン・メディシンの重要性を唱えて、広まったといわれています)流れです。その上で、患者さんの遺伝子変異を見つけるための検査、薬が効きやすいかどうか、また副作用が出やすいかどうかといった、個人の体質を判断するためのバイオマーカーの検査が極めて重要です。これからの時代、がん患者さんすべてに、そのような検査を行い、それぞれの方にあった治療を行なっていく時代がくると思いますが、未だ見つかっていないマーカーや、薬が有効な遺伝子は見つかっていないもの、臨床的意義がわかっていないものは多数あります。そこで、今この企業のような検査の会社と製薬会社、そして国立がんセンターのような施設がタイアップし、国を挙げて、この個別化医療の推進に全力を注いでいます(と、私は理解しております。)