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小野薬品工業(株)【4528】の掲示板 2017/01/26〜2017/01/28

今回の和解の意味は、キイトルーダに関する特許係争で、小野薬品+BMSが実質的に勝訴したということです。

頭金とロイヤルティの金額については、様々な意見があると思われます。頭金は納得できてもロイヤルティの比率が低いと考える向きもあろうかと思われます。会社側は、キイトルーダが伸びる場合は、ロイヤルティも伸ばしたいという考え方から、あまり高い率は求めなかったのかもしれません。

メルクが実質的に特許侵害があったことを認めたことは重要です。成分は異なりますが、キイトルーダとオプジーボはほぼ同じ作用機序(薬の働き方)であるということがはっきりしたわけです。そうであれば、オプジーボとキイトルーダの違いは、成分の違いと、臨床試験デザインの違いによる臨床試験の結果の違いということになると思われます。

2017年1月13日付けの本稿で指摘したChechMate227試験の重要性を改めて考えると、非小細胞肺がんファーストラインではメルクがKEYNOTE-021試験をベースとしたPD-L1発現率の制限がないキイトルーダと化学療法剤との併用療法をFDA(アメリカ食品医薬品局)に申請し、2017年1月10日付けで受理されました。一方でBMS+小野薬品も、オプジーボとヤーボイ、化学療法剤との併用試験(PD-L1発現率1%以上とこの制約なしを含む)を実施中です。次の焦点は、CheckMate227の成否です。1月20日のBMSプレスリリースでは、オプジーボとヤーボイの併用療法についてFDAの迅速承認を求めない(通常のペースで臨床試験を続ける)とのことですので、CheckMate227試験が早期終了する場合は、オプジーボと化学療法剤の併用療法試験が成功した時となると思われます。