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小野薬品工業(株)【4528】の掲示板 2016/04/15

楽天証券 今中氏レポート(2)

●オプジーボの会社側売上高見通しは保守的と思われる

会社側が提示した2017年3月期のオプジーボの新規使用患者数15,450人と売上高1,260億円とを見比べると、1,260億円という数字はかなり保守的と思われます。私の試算は次の通りです。

1)まず、オプジーボの年間投与費用は非小細胞肺がんで3,460万円になります。10万円単位を切り上げて3,500万円です(楽天証券ではこれまで3,400万円としてきましたが、今後は3,500万円とします)。また、今年2月にメラノーマでのファーストライン(化学療法剤を使っていない患者に対する投与。従来は化学療法剤を既に使った患者に対する処方のみ認められていた)での使用が追加承認されました。1回3mg/kg(体重)を2週間間隔で点滴します。この用法は非小細胞肺がん向けと同じです。メラノーマ向けはファーストラインでの使用が一般的になると思われますが、この結果、非小細胞肺がん向けとメラノーマ向けの年間投与費用が同じになります。

2)会社側の新規使用患者数予想が正しいとすると、2017年3月末の累計使用患者数は2017年3月末累計4,888人+新規15,450人=20,338人、年平均使用患者数(平残)は、(20,338+4,888)÷2=12,613人。

3)小野薬品が医薬品卸に出荷する価格は薬価の93%程度と推定されるので(流通マージンは7%前後)、年間使用ベースでの1人当たり金額を3,260万円と仮定。

4)オプジーボは非小細胞肺がんの場合患者の約30%には効かない。また、副作用は他の抗がん剤に比べて軽いがある。不幸にして途中で亡くなる患者さんもいる。

5)また、メラノーマ向けについては年内に承認されると予想されるメルクの「キートルーダ」(免疫チェックポイント阻害剤)との競合が予想される。