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エーザイ(株)【4523】の掲示板 〜2015/04/28

これから、BIIB037の学会発表について、ニュースリリースがあると思われます。

エーザイのリリースは、専門家には理解できる人もいると思いますが、一般の人には業績期待ばかりが高まります。そこが利用されます。

ことし発表されたニュースリリースを見ていくと、これだけ華々しい活動や成果があるのに、なぜ、新製品が続々出てきて業績が回復しないのか、落ち込むばかりなのか、たぶん普通の人には理解できません。

エーザイIRの特徴は、
1.ポジティブ情報を際立たせる
2.ネガティヴ情報、リスクについては書かない
3.カタカナ用語の多用
4.一般の人には理解できない臨床データで有用性を強調(添付資料ではなく、本文に挿入)

エーザイはこれまでずっとアリセプトを越える薬剤の研究開発を続け、かけた費用はおそらく何千億円にも及ぶと思います。

しかし、アリセプトの開発開始から30年以上、発売から18年目でも、まだ開発を急いでいる状態です。

世界で一番アルツハイマー型認知症に詳しく、治療薬で先行していると思われたエーザイが、海外の会社と利益を分配して共同開発せざるを得ない状況に陥っています。

BIIB037の開発成果は朗報ですが、作用機序が新しいだけでなく、実際にアリセプトを越える薬剤なのか、ドロップアウトせずに製品化できるのか、利益配分はどうなるのかなど、まだわからず不透明です。

18年目のロングセラー商品であり、売上ナンバー1のアリセプト(アルツハイマー型認知症治療薬)、ナンバー2のパリエット(抗かいよう薬)からあがる莫大な利益を新薬の開発や販促にふんだんに投入するというエーザイのアリセプト・パリエットモデルですが、国内外当局の強力な医療費抑制策、ジェネリック医薬品の浸透策で崩れています。

特に今年度は崖崩れ状態でした。
通期業績予想の大幅下方修正の遅れも、おそらく、これが原因と思われます。

利益を絶たれて、これから新薬の開発・販促費用をどうやって捻出するのか正念場です。これはアナリストの方が指摘しているとおりです。

BIIB037は、開発成果としては朗報でありポジティブですが、エーザイの将来の不確実性が鮮明になった点ではネガティヴなのではないかと思います。

健闘を祈りたいと思います。