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(株)Casa【7196】の掲示板 2020/12/03

それだけに、2017年10月に東証市場第二部上場が決定した時の社内での喜びはひとしおだった。創業当時の苦労を知っている社員は、特に感慨深い様子だったという。

「上場して良かったのは、社員の仕事に対する姿勢が大きく変化したことです。『社会のために』とか、『上場会社にふさわしくあるにはどうすればいいか』といったことを皆が口にするようになり、これまで以上に社内の意識が高まりました。また、アライアンスの選択肢が広がり、業種を超えた様々な企業と接することが増えたことも上場の大きなメリットだと感じました。採用面でも優秀な人材が多数応募してくれるようになりました」

 宮地さんは自社の社風がアットホームで結束力が強いと考えているが、それは時に自分たち本位になりかねないというリスクもあると考えている。そのため上場以降、キャリア採用を積極的に行うようにもした。

 不動産業界の仕組みや慣習にとらわれず、思考やカルチャーが違う人たちの意見により、刺激を受けて良いところを取り入れていこうという方針からだ。入社した社員には最初から「遠慮せず、どんどん意見を言ってください!」と伝え、意識的に社内の風通しを良くすることに努めた。

 市場第二部上場から1年後の2018年10月には、市場第一部指定を果たした。社員は喜びに沸く一方で、さらに気を引き締め、社会における自社の立ち位置や自身の役割を意識するようになった。

近江商人の経営哲学「三方よし」を目指して

 宮地さんにオフタイムの過ごし方を聞くと、「土日も朝4時には起きて、つい仕事をしてしまうんです」と笑う。不動産業界を変革したいという思いから、常に次なる一手を頭に思い浮かべている。

「現在の不動産マーケットは、空き家問題や多様化する顧客ニーズへの対応など、問題が山積みです。これらを解決するには、今の不動産モデルでは厳しい。家主と入居者をマッチングする不動産プラットフォームをはじめ、私たちのポジションだからこそ改善・改革できるサービスを提供し、不動産を活性化して世の中の景気を盛り上げていきたい。貸し手と借り手、そして社会も良くなる『三方よし』を実現していきたいと思います」

宮地さんは、Casaの社員たちと共に、この壮大な目標に向かって歩き続けている。