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(株)Casa【7196】の掲示板 2020/12/03

「会社を立ち上げ以降、私自身が資金繰りに奔走しており1ヵ月先も見えない日々を過ごし、会社の成長ストーリーを描く余裕がありませんでした。社員に希望を持たせるためにはビジョンが必要だと、必死になって会社の未来を考えました。会社の強みと弱み、競合などの事業環境、ビジネスモデルについて、自宅の壁に400枚以上は繰り返し書き連ねていました」

 

 当時、不動産プラットフォーム構想を実現するには、①IT技術、②新たな業界ルール、③経営基盤の3つが必要になると考え、実現を逆算して、まずは会社の基盤となる理念を作り、経営の土台づくりから始めた。

 理念を社員一人一人に浸透させるべく、まずはトップダウンで管理職に研修を毎月行い、現場社員にも理念の研修会を開き、体制や社内制度も整えていった。

 2010年12月には、「社員みんなの家のような会社でありたい」という願いを込め、ラテン語で『みんなの家』という意味を持つ「Casa」に商号変更。

 株式会社Casaとして、社員一丸となり、再び新たなスタートラインに立った。こうした取り組みを経るうちに、いつの間にか離職率は40%から4%へと、大幅に改善されていった。

社長室に並ぶ社員のご家族から贈られた宮地さんの似顔絵

お客様からの「ありがとう」が、社員のモチベーションを高めた
株式会社Casaの転機となったのは、2016年からスタートした「お客様本位の徹底」だ。家賃を遅延する人たちに対して、これまでは単に家賃を支払ってもらうための交渉をしていたが、まずは話を聞き、具体的な相談に乗ることにしたのだ。この取り組みのヒントになったのが、宮地さんが急病で駆け込んだ病院での、医師や看護師たちスタッフの対応だった。

「その病院では『病気を診ずして病人を診よ』との方針のもと、病気そのものではなく患者である私自身を見て、親身になって対応してくれたのです。感銘を受けた私は、自社でもお客様本位を徹底することにしました。家賃を支払えない人の背景には仕事上の事情によるもの、病気やケガなどによるものなど、何らかの原因があります。この原因を理解し、生活の立て直しのために、福祉制度などの勉強やマナー研修を徹底しました」