ここから本文です
Yahoo!ファイナンス
投稿一覧に戻る

クリングルファーマ(株)【4884】の掲示板 2024/04/16〜

脊髄損傷「亜急性期」については、ニプロのステミラック注が「条件付き承認」されています。

以下では、ニプロとクリングルの最終治験の内容を比較します。

■ニプロ(脊髄損傷亜急性期)
相:2相
試験デザイン:単一施設非ランダム化試験
登録症例数:17例(有効性の評価対象は13例)
対象患者:AIS分類のA(6例)、B(2例)、C(5例)
主要評価項目:AISが1段階以上改善した割合
上記結果:A は5/6、Bは2/2、Cは5/5(いずれも有意差なし)
副次評価項目:AISが2段階以上改善した割合
上記結果:Aは2/6、Bは1/2、Cは0/5(いずれも有意差なし)

■クリングル(脊髄損傷急性期)
相:3相
試験デザイン:多施設共同非ランダム化試験
登録症例数:26例(有効性の評価対象は25例)
対象患者:AIS分類のA(25例)
主要評価項目:AISが2段階以上改善した割合
上記結果: 3/25(12.0%、DBは8.6%、有意差なし)
副次評価項目:AISが1段階以上改善した割合
上記結果:14/25(56.0%、DBは19.8%、有意差あり)

Source:ニプロは審議結果報告書、クリングルは2/9開示資料

(コメント)
ステミラック注は、一度もプラセボ対照比較試験を行わず、探索的試験(2相)のみで、患者数も少なく、AIS分類のAだけでなく、BやCも含めて行われ、主要評価項目は1段階改善で、条件付き承認されています。

主要評価項目(1段階改善)、副次評価項目(2段階改善)のいずれも、過去の文献よりも改善度は大きいものの、統計学的有意差は出ていません。

クリングルの脊髄損傷急性期は、1/2相でプラセボ対照比較試験を行い、3相の患者数もステミラック注より多く、AIS分類のAの患者だけで行っているなど、試験の厳格さはステミラック注よりも遥かに上です。

1/2相と3相の結果はデータベースよりも改善の度合いが大きいだけでなく、3相の副次評価項目(1段階改善)では統計学的有意差も出ています。

ステミラック注が条件付きで承認されているのに、このクリングルの結果で、通常承認はともかく、条件付き承認も認められないとは思えません。

ましてや承認申請もできない、などということはあり得ないでしょう。