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京阪ホールディングス(株)【9045】の掲示板 2024/02/08〜2024/05/31


京都市の一等地「三条駅エリア」でようやく動き出す再開発 京阪の計画「二転三転」の歴史

京都市は1997年の市営地下鉄東西線の開業を機に、三条駅を含む主要5駅の周辺開発を「五大プロジェクト」として位置付けた。市バスやタクシーの乗り場整備でターミナル機能を強化したが、商業施設の開発と集積は思うように進まなかった。

京阪が当初目指したのはホテル建設だったが、市内でホテルが飽和状態となる中、三条駅前に整備する中核施設の方向性を文化・エンターテインメント体験へと転換した。「昼も夜も人が集う場所にし、かつての三条駅のにぎわいを取り戻す」(加藤好文・京阪HD会長兼CEO)狙いがあった。ところが、20年の新型コロナウイルス禍で鉄道や観光事業が大打撃を受け、構想は再び練り直しを迫られた。

 京阪HDが昨年発表した長期経営戦略では、三条駅周辺での再開発の内容を「東山観光の拠点となる日本・京都文化発信の複合施設整備」と明記した。加藤会長は京都新聞の取材に「観光客だけでなく地元需要も取り込みたい」と述べ、住民の利用を検討する考えも示している。

 そして政府が20日、三条駅周辺の9・6ヘクタールについて土地利用の規制緩和や税制優遇を認める「都市再生緊急整備地域」に指定する方針を公表した。京阪HDは「エリア全体の開発が加速するきっかけとなる。具体的な整備内容の検討はこれからだが、三条駅周辺の活性化につながるまちづくりを進めたい」と期待を寄せる。

 三条駅の1日当たり平均乗降客数は22年が約3万2千人で、地下鉄東西線開業直後の1998年に比べて1万人減少している。駅前の再開発で一帯の集客力が高まり、三条の復権につながるか注目される。