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三菱地所(株)【8802】の掲示板 〜2015/04/28

JB Express 2015.3.23(月) 伊東 乾 

<国立大学の博士が起こす事件の裏に入試制度あり!>
学部と大学院の入試で起きている逆転現象、学歴ロンダリングとアベノミクス・・・

「学歴ロンダリング」と言われるポイントから考えたいと思います。日本では大学学部の学歴が就職その他に大きな影響を持ちます。
 これは否定しがたい事実であり、例えば私が在籍する東京大学の場合、学部入試は非常に厳密ですが、大学院修士の入学はかなり「楽」で、大学院博士に至っては「容易」と言っても過言でないと思います。これらは学部入試と比較してという意味でご理解ください。
(中略)
 高校から大学に上がる際、厳しい入試のハードルをきちんと飛び越してきた学生は、それなりの脚力があります。それが、比較的頭を使わなくても合格できる修士の試験に通っても、元来の能力はあるのだから、まあ何とかやっていける可能性がある。
 問題は、受験をAOその他で迂回する、あるいは付属校などでエレベーターで大学に入った、非常に容易な入試で大学に合格し、いまの少子高齢化状況での日本の大学で少なくないところてん方式で特段のトレーニンフも受けずに学部卒業という形だけついてしまった人が「常識問題」で大学院に入れてしまったとき、何が起きるか、ということです。
 つまり、何か仕事をしようにも、基礎となる学術の足腰がない。そういう厳しいトレーニングを受けたことがない。例えば英語が普通に読めない。まして作文などほとんどできない。
(中略)
 およそ多くの「学術の不正」は「学力の不足」「能力と意識の欠如」がダイレクトな理由と思いますが、そうしたものが出てくる土壌が、学部と大学院の入試難度の逆転現象にあると思うのです。
 うちの大学の客員教員のような肩書きで、およそ世にも恥かしい詐欺以前の事件を起こしたケースがありましたが、この種の紛れ込み方だった記憶があります。
 つまり、実力がないまま、学歴だけあるように見せかける「ロンダリング」そのものが、すでに半分詐欺の共犯に足を突っ込んでいる可能性を言っているのです。
 でも、大学はそういう水で薄めたような採用を続けています。なぜか・・・。大学院は学生定員だけが先行して増え、定足数を割ると予算その他に問題が発生するので、ともかく定員いっぱいまで学生を詰め込もうとするのが1つの事情。