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三井不動産(株)【8801】の掲示板 2015/10/02〜2016/02/13



市場ニュース  2016年02月10日19時00分
中村潤一の相場スクランブル 『視界ゼロ相場で見えてきたもの』

●“北風”政策は株価にもアンフレンドリー
 日銀の決断、銀行に対し当座預金のマクロ加算残高を超える10兆円の部分にマイナス金利を課すというのは、「その分を民間に貸し出しなさい」という日銀の意思ですが、これは「北風と太陽」でいえば“北風”の政策。

 本来であればアベノミクスの成果としての民間の資金需要に銀行が対応するというのが筋であって、強引に引き剥がしてビジョンなき経済活性化を銀行に強いる構図は、既にその時点でアベノミクスの軌道を外れているともいえます。結果的に融資余力を漸減させ、デフレマインドを助長してしまうリスクを孕んでいるのです。10年物国債利回りがマイナスという現実は、ひとつの衝撃には違いありません。

●リーマン・ショックと同じ匂い!?

 一方、7月の参議院選挙までには政策的な活が入り、相場は上昇基調に戻るという見方もありますが、そこに拠って立つ大樹があるというのは幻想に過ぎません。年が明けてからの波乱相場では、安倍政権の一挙手一投足ではなく、海外マーケットの動向とそれを取り巻く環境に視線が集中しているわけで、もはやアベノミクスでは手に負えないところにきています。マイナス金利導入のサプライズ効果が瞬間蒸発してしまったのは、この政策の是非というよりも、海の向こうの大きな悪材料に怯えているからです。

 この見えない悪材料と真剣に対峙しなければならない時が近づいている気もします。年初に『現在のマーケットには2008年のリーマン・ショックと同じ危機を連想させる』と著名投資家のジョージ・ソロス氏が語ったことが伝わっていますが、ここに至ってドイツ銀行を巡り浮上したクレジットリスクの思惑は、ソロス氏が投げかけた波紋と符合する部分がありそうです。08年に先進国を襲った金融システム不安のレベルまで発展する可能性は短期的には乏しいと考えますが、相場の長期トレンドを下降転換させる引き金としては十分過ぎる材料ともいえます。