ここから本文です
Yahoo!ファイナンス
投稿一覧に戻る

(株)みずほフィナンシャルグループ【8411】の掲示板 2022/01/31〜2022/02/03

フッサール現象学目次を見る
フッサールの現象学は『論理学研究』によって開始された。『論理学研究』はその第1巻(1900)において、レアール(実在的)な心的作用とイデアール(理念的)な思惟(しい)内容とを区別することによって、心理学で論理学を基礎づけようとする心理主義を批判した。にもかかわらず、心的作用はイデアールな思惟内容と関係している。それゆえ『論理学研究』第2巻(1901)はこの相関関係を主題とし、そこで志向性、意味充実としての直観(とくにカテゴリー的直観)という現象学にとって基本的な概念が展開された。フッサールは『純粋現象学と現象学的哲学のための諸考想』第1巻(『イデーンⅠ』1913)において、『論理学研究』での記述的現象学を構成的、超越論的現象学へと発展させた。フッサールは、自然的態度の本質である「世界があり、私がその世界のうちにある」という一般定立を作用の外に置き、エポケー(判断中止)を行う。それは現象学的還元であり、そのことによって不可疑な純粋意識の領域が得られる。そこにおいてノエシス―ノエマ(志向的作用―志向的相関者)の相関関係が取り出され、この相関関係に基づいて構成的現象学が可能となる。『イデーンⅠ』に続いて構想された『イデーンⅡ』は、領域的存在論(自然的世界、生命的世界、精神的世界)に即した構成的現象学の展開である。フッサール現象学は、超越論的主観性における世界構成と自己構成の探究であり、現象学が体系的に完全に展開されれば、真の普遍的存在論となる。晩年の『ヨーロッパ諸科学の危機と超越論的現象学』において、科学的世界から、客観的科学によって隠蔽(いんぺい)されていた生活世界への還帰が強調されるが、しかしさらに生活世界から超越論的主観性へと還帰しなければならないとする。フッサール現象学は一貫して超越論的主観性の現象学であった。