IDでもっと便利に新規取得

ログイン


ここから本文です

中堅ゼネコンへの投資を相次ぎ増やしている。保有比率が5%未満も含めると、10社程度のゼネコンに出資しているとみられる。

ストラテジックキャピタル(東京・渋谷)も浅沼組の株式保有比率を4月に10.1%(従来は8.86%)に引き上げた。英シルチェスターも奥村組に11%程度、戸田建設にも13%ほどそれぞれ出資している。

ゼネコンはここ数年、震災復興や五輪関連の工事で業績を伸ばし、財務も改善してきた。シティインデックスが買い増しした3社の2020年3月期の連結純利益は14年3月期と比べ3~6倍に増えた。キャッシュもため込んでおり、東証上場の建設会社で時価総額に占めるネットキャッシュの比率が50%を超える企業は4分の1ある。

株主還元の余力のある銘柄が目立つ一方、配当利回りの低い企業が多い。一般的に配当利回りが3%を超えると高配当とされるが、同5割強の企業で3%を下回る。株価も割安で、足元の平均PBR(株価純資産倍率)は1倍を切り0.92倍にとどまっている。株主還元や株価の向上策などを巡ってファンドが要求を強めるのは必至とみられる。

建設関連は五輪関連などの大型工事が一巡したうえ、人口減などによる国内市場の縮小から中長期の成長が期待しにくい。人手不足も慢性化しており、人件費など建設コストの上昇も見込まれる。そこで避けられないのが業界再編だ。

アクティビストには再編を促して企業価値を高め、投資利益を増やそうとの思惑もにじむ。中堅ゼネコンに出資するファンド関係者は「業界再編に一石を投じたい」と語る。そのうえで「業界に体力が残っているうちに前向きな統合などを検討すべきだ」と主張する。

大和証券の寺岡秀明シニアアナリストは「近年は工事が増え、各社単独で業績を伸ばせたため統合や買収は選択肢になりにくかった」と指摘する。物言う株主が建設業界の合従連衡の引き金になる可能性もある