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兼松(株)【8020】の掲示板 2022/05/11〜2023/06/15

兼松エレクの完全子会社化に際して発生するのれんは、資本剰余金から差し引く形で会計処理をする事になる。従って、のれんの償却は発生しない。

一方、上記の会計処理に伴い、会計上は株主資本が減る訳で、兼松エレクの少数株主持分が株主資本に加わる事で一部相殺されるが、トータルの株主資本は減り、一方で(買収資金の)748億円分有利子負債が増える為、私の試算だとネットDERは0.9倍程度に上がる事になる。

この事で、株主還元に影響があるのかどうか気になったので、会社のIRに電話して聞いてみたが、ネットDER0.9倍という水準は問題無いと認識しているとの事だった。確かに、格付会社(R&I)も、格付には影響しない、というリリースを出している。

https://www.r-i.co.jp/news_release_cfp/2023/01/news_release_cfp_20230130_2301240101_jpn.pdf

従って、来期以降も、現行の総還元性向(=実質的には配当性向)30%~35%という株主還元方針は、不変だという事だった。

そうすると、兼松エレクの少数株主利益38.4億円(=91億円×42.19%)分だけ当期利益が増え、748億円の借入金利を1%とすると、支払利息が7.48億円、税引後の影響は5.24億円(実効税率30%と仮定)なので、33.16億円ほど当期利益が増える事になる。これはEPS39.24円になる。従って、配当性向を30%~35%とすると、(子会社化の影響を除く)来期の業績が今期と不変だとすると、11円~14円ほどの増配が期待される。最低限、10円の増配は行われるだろう。

兼松の株主にとっても、非常に良い取引だったのではないか。なお、会社のIRによれば、借入で賄う買収資金をエクイティ・ファイナンスで置き換える予定は全く無いそうなので、その点も安心だ。

  • >>384

    PBRがまだ低い、という投稿が散見されるので、決算発表を見てびっくりしない様に念の為投稿しておくが、返信先の私の投稿を見て貰うと分かる様に、兼松エレクトロニクスの買収に伴い、兼松の株主資本は減少する。一方、のれんは発生しないので、バランスシートはクリーンだ。

    これはあくまで会計上の話だが、見かけ上のPBRは上がる事になる。今の株価水準だと、PBRは1倍を超えて来る。だから「低PBR株」ではなくなる。

    一方、ROEは高くなるので、高ROEの「ハイクオリティ株」という扱いになるだろう。

    上記は会計上の話だが、決算発表での一番の焦点は、会社側が今期(2024年3月期)の配当予想をいくらで出して来るのか?という事だろう。兼松エレクトロニクスの少数株主に流出していた利益が、兼松の連結決算の当期利益に全て取り込めるようになるので、最低限80円には(5円)増配して来ると思うが、仮に、期初の配当予想が85円(10円増配)だとポジティブだと思う。

    是非、期待したいところだ。