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任天堂(株)【7974】の掲示板 2019/09/19〜2019/09/25

【日経の記事】

既出ですが,Liteの発売に合わせて日経に記事が載っていましたね。古川社長の「まずは5年、できればそれを超えて売っていきたい」の発言はSwitchの商売を長く続ける意気込みとして歓迎できますが,日経はこれを我々ホルダーとは違う意味で捉えているように見えます。

ホルダーは(全員ではないでしょうが少なくとも私は)Switchの商売について「プラットフォームの1つの完成形」と捉えています。

あしかさんが常々指摘されているようにハードは「枯れて小さく安くなった」汎用コンピュータで基本ソフトも土台は汎用,そこに独自のコントローラやペリフェラルを足す形とし,個々のパーツは入れ替わるにしても全体としてのプラットフォームの姿は十年単位で使い続けることができるように設計されています。

今後の展開はWindowsPCやAppleのiOS機のように,基本的な設計思想は変えずにその「乗り物」だけを更新していく姿を想定するのが妥当でしょう。

しかるに,日経ではいつものように「家庭用ゲーム機は発売3~4年目に販売のピークを迎えるケースが多い」と指摘して,あたかもSwitchのプラットフォーム自体が間もなくピークアウトしてハード設計もOSも全く異なる次世代機でまた勝負をかけることが規定路線になっているかのような文脈になっています。

記事中の「スイッチの延命」や「賞味期限」といった言い回しも(これらも従来からよく使われていますが)その発想から来ているものでしょう。そうした枠組みにおいては,Liteはピークアウトに向かうSwitchを少しでも長持ちさせるためのドーピング剤みたいに見えるのでしょうね。

対照的に,アホルダー的視点ではLiteはSwitchのファミリー展開の始まりであり,(従来はDSシリーズを使っていた)携帯機ユーザーと据置機ユーザーをひとつのプラットフォームに集める,いわば「One Nintendo」戦略の担い手と見ることができます。

任天堂のビデオゲームビジネスはSwitchプラットフォームに一元化され集約される一方,それを体験するスタイルは客の嗜好や特性・事情に応じて様々なバリエーションを用意しておく,ということでしょう。

Liteが出るタイミングで,非対応のRingFit Adventureを発表したのも,Liteが「後継機」ではなくあくまで「別スタイルに特化した姉妹機」であり,Switch標準機ならではの遊びについてはこれからも提案していくよという姿勢をアピールする意図があるのだろうと思います。

Wiiの頃と発想が変わっていないように見える日経記事を見るにつけ,市場ではまだこんな見解が妥当性を持って迎えられるのかと驚かされます。

……もっとも,日経の記事ではSwitch Onlineのスーパーファミコンについて「月内には90年代に流行した「スーパーファミコン」を遊べるサービスも投入予定だが、効果は未知数だ」などといい加減なことも書いてありました。これがOnline会員向けの特典であることにも触れず,その導入の狙いも考察せず,そもそもすでに始まっていることも知らないんでしょうね。

仮に市場の理解もそのレベルで株価が今の水準であるなら,アホルダーが想定するビジネスが軌道に乗ったら一体どれだけ水準を切り上げるのでしょう……。

長文失礼しました。