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(株)セルシード【7776】の掲示板 2023/05/11〜2023/05/13

2023年5月11日 19:14 日経新聞記事より

フライングセル、磁石で幹細胞誘導し膝を再生 27年にも

広島大学発スタートアップのフライングセル(広島市)は磁石を使って細胞を誘導する再生医療を事業化する。鉄粉をまぜた「間葉系幹細胞」を膝関節に注入し、外部から電磁石をあてて欠損部に導く。広島大の越智光夫教授(学長)の研究成果で、これを事業化する。すでに臨床試験(治験)を始めており、早ければ2027年の実用化を目指す。

事業化する再生医療は高齢になるとともに軟骨がすり減り、膝が変形する「変形性膝関節症」向けだ。様々な細胞に分化する機能を持つ間葉系幹細胞に磁気共鳴画像装置(MRI)の造影剤として使われる鉄のナノ粒子を含ませる。これを膝に注射し、10分間程度外部から磁石をあてることで患部に導く。

間葉系幹細胞を使った再生医療では細胞が欠損部にうまく届かないことがある。だからといって細胞自体を大量に注射するとうまく組織が再生されず、ギザギザになるといった副作用が発生するという。

鉄粉を含ませたうえで磁石を活用することで少量の細胞を適切な場所に誘導できる。フライングセルは幹細胞に鉄粉を適度に含ませる技術にノウハウを持つ。鉄粉は自然に体外に排出されるという。

医師主導型治験として、安全性を確認するためすでに広島大学病院で5例の手術を実施した。5例目は年初に手術を終えており、1年間の経過観察中だ。経過観察に問題がなければ次に効果を調べる治験に進む。

これまでの治験では本人から手術で採取した間葉系幹細胞を使ったが、今度は他人から採取した幹細胞を使用する予定で、製薬会社などとの提携を模索している。60例程度の症例が必要となるという。早くて26年に治験を終え、27年ごろに実用化する考えだ。