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(株)ジャパン・ティッシュエンジニアリング【7774】の掲示板 2015/06/04〜2015/07/19

>>494

2015/4/22日経電子版より


 富士フイルム傘下のJ―TECは2009年に日本で初の再生医療製品となる自家培養表皮「ジェイス」、13年に自己培養軟骨「ジャック」を発売。日本で再生医療製品を唯一販売しているパイオニア的存在だ。それでも単年度黒字がいまだに達成できない。

 理由は患者が限られるためだ。ジェイスは主に重度のやけど、ジャックは膝のトラブルに使用する。医療保険の対象だが、適用の条件が厳しく定められ、投資の回収にはほど遠い。

 苦戦しているのは日本勢だけではない。昨年11月、細胞医療を手掛ける米デンドレオンが事実上破綻した。がんの免疫治療に9万ドル超と高額な価格設定を行っていたが、13年の製品の原価率は6割近くに達していた。
理化学研究所は昨年、目の網膜の細胞シートをiPS細胞を用いて作製し、「加齢黄斑変性」という難病に苦しむ70歳代の女性の片目に移植する臨床研究を実施した。費用は実に5000万円を超えたという

 公費で賄うという論理も矛盾を含む。厚生労働省は再生医療製品を用いた医療は原則として保険を適用する方針。ただ、例えば加齢黄斑変性の患者数は日本に70万人いる。1例5000万円で全患者に手術を行うと35兆円、1000万円に安くなったとしても7兆円もの医療費がかかる。
初承認が試金石

 昨年、中堅製薬のJCRファーマはヒトの細胞を培養して臓器移植時の拒絶反応を抑える医薬品の製造などに必要な承認を厚労省に申請した。テルモは足の筋肉から作製した細胞シートを利用して心臓機能を回復する再生医療製品について申請中だ。いずれも早ければ今年夏にも承認される見通し。その際の価格や使用条件が今後の基準値になるとみられている。

 「十分な価格が付かなければ、再生医療市場への参入意欲が薄まる可能性がある」(いちよし経済研究所の山崎清一首席研究員)。かといって十分な価格を付けて、かつ誰でも利用できるようにすれば、国民負担は膨大なものになる。

 再生医療は機能不全となった臓器を交換する究極の医療で、それ故に潜在需要は限りなく、国際的な競争力を持つ日本の次世代産業としての期待も大きい。しかし実用化と産業化には深くて長い溝がある。それを埋めるために官民が英知を結集する時期に来ている。