プットオプションは、逆に、株価が下がった時のリスクヘッジのために入手するもので、このケースでは、The Shaw Group が、Westinghouse Electric に共同出資した際に、東芝との間のプットオプション契約を結ぶことにより、(★★★Westinghouse Electricの)株の価値が下がった際にも、損をしない価格(円建てで買値の50%増し)で東芝に売り抜ける権利を得ていたのです。
つまり、The Shaw Group は、表向きは東芝と同等の共同出資者でありながら、★★★リスクはすべて東芝が負うような条件を付けた上で参加し、原発事故で業界全体の雲行きが怪しくなると、すかさずその権利を行使したのです。
しぐれ蛤 2015年8月1日 06:23
米国では、株の先物取引はオプションを使って行いますが、プットオプションとは、「株をある決まった価格で売る権利」のことです。それと反対なのが、コールオプションで、それは「株をある決まった価格で買う権利」のことです。
ベンチャー企業で、社員にインセンティブとして渡すストックオプション(Incentive Stock Option)は、常にコールオプションで、何年後かに現在の価格で株を買う権利を社員に与えておくことにより、株を買う資本力を持たない社員にも株価の上昇の恩恵を受けさせようというものです。
プットオプションは、逆に、株価が下がった時のリスクヘッジのために入手するもので、このケースでは、The Shaw Group が、Westinghouse Electric に共同出資した際に、東芝との間のプットオプション契約を結ぶことにより、(★★★Westinghouse Electricの)株の価値が下がった際にも、損をしない価格(円建てで買値の50%増し)で東芝に売り抜ける権利を得ていたのです。
つまり、The Shaw Group は、表向きは東芝と同等の共同出資者でありながら、★★★リスクはすべて東芝が負うような条件を付けた上で参加し、原発事故で業界全体の雲行きが怪しくなると、すかさずその権利を行使したのです。
こういう話を読むと、「だからアメリカのハゲタカファンドは信用できない」という反応をする日本人がいますが、このケースでは、最初の買収の際に、プットオプション付きでしか共同出資者を見つけられなかった東芝が問題なのです。
Westinghouse Electric の買収に関しては、当初から東芝が払いすぎだという指摘もありましたが、そんな「高値づかみ」をするから、★★★共同出資者にプットオプションを要求されてしまったのです。