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シスメックス(株)【6869】の掲示板 2022/06/09〜2022/09/26

シスメックス”手術支援ロボ”売上1000億円超へ描く道筋(3)
しかし、2019年にダビンチの主要特許が切れたことを契機に、メディカロイドはじめ、欧州の医療機器メーカー大手のジョンソン・エンド・ジョンソンから国内外の医療ベンチャーまで、手術支援ロボットの開発に乗り出すことが可能になった。
2021年には、医療機器世界最大手のメドトロニック(アイルランド)が欧州で手術支援ロボット「Hugo」の承認を取得している。
ただ、ある医師は「ダビンチとヒノトリを比べたとき、操作感などハード面での違いはほぼない」と語る。多くの競合がひしめくなかシェア拡大に必要なのは、手術の効率化などにつながる“システム”や“ノウハウ”の提供による差別化だ。
■要となるのが既存事業とのシナジー
ダビンチはロボット本体の改良や鉗子のバリエーションの拡大だけではなく、手術にかかった時間や使用した鉗子など手術のログデータを確認できるアプリの提供を開始した。
このアプリでは、自身の手術をデータとして客観的に確認できるほか、全国平均のデータと比較することで自身の手術の傾向も確認でき、手技の向上などにつなげられる。
メドトロニックもITベンチャーを買収し、手術のデジタルトランスフォーメーション(DX)に本腰を入れる。
ヒノトリの戦略の核も、手術のDXにある。「シスメックスならではのノウハウが決定的な差別化要素になる」と浅野CTOが強調するとおり、肝になるのは既存事業である検査装置とのシナジーだ。
シスメックスは血液検査のなかでも血球検査分野では世界シェア1位。検査分野での圧倒的なシェアは、他の手術支援ロボットメーカーにはない強みだ。
戦略の基盤となるのが、IT企業のオプティム(3694)と共同開発したAI(人工知能)・IoTシステム「MINS(マインズ)」だ。内視鏡カメラや手術室の天井に設置されたカメラの映像に加え、医師の手技、ヒノトリの動きなど、手術のプロセスをまるごとデータとして蓄積できる。