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日本電波工業(株)【6779】の掲示板 2021/11/30〜2021/12/13

オミクロン株に救われた米国 原油価格下落、米国債安定で窮地を脱す
2021/12/01 07:00
© マネーポストWEB 提供
バイデン大統領にとって「オミクロン株」の出現が好都合だった側面も(Getty Images)
インフレが進めば米国債券市場に危機も

原油(先物)価格の上昇で困るのは、日本や欧州の主要国(イギリスを除く)など、非産油国だけではない。足元で物価が上昇、金利の先高懸念の強まっている米国も同様だ。インフレが手に負えなくなれば、安全資産の頂点にあり、国際金融市場の要ともいえる米国債券市場が危機的状況に陥るリスクがある。

バイデン政権にとっては、大統領の支持率低下が深刻となる中で、市民に強い不満を与え、経済的な大混乱を引き起こしかねない原油高は、なんとしても避けたいところでもある。

米国は世界最大の産油国であり、シェールオイルの増産能力は十分あるはずだが、バイデン大統領は11月に開かれたCOP26において、各国に対して気候変動対策の強化を訴えたばかりである。トランプ前大統領とは正反対の姿勢だ。そもそも、石油業界は伝統的に共和党支持者が多い。政治的な要因も加わり、政府主導で増産を呼びかけるわけにはいかないといった事情がありそうだ。
米国にとっては都合の良い結果

こうした背景で原油先物価格が高騰していたタイミングで、今回の急落が起こった。

世界のマスコミは11月26日、新型コロナウイルスの「オミクロン株」の発生を大きく報じ始めた。それによって、金融市場は一変。先週末のグローバル株式市場は急落する一方で、リスクマネーは安全資産としてドルを選好、米国債に資金が流入し、金利は大きく低下した。米国債(10年)は24日には1.64%であったが、休場明けの26日には1.48%まで下落した。29日には少し戻したが、それでも1.50%前後で安定した動きとなっている。

マスコミが突如として洪水のように流し始めたオミクロン株のニュースによって、とりあえず、米国債券市場は落ち着きを取り戻している。意図的なものではないのだろうが、米国にとって都合の良い結果である。このまま、株式市場も戻してしまうのだろうか。

思いがけないことが頻繁に起きる。正統的なミクロ、マクロ分析が役に立たないばかりか、裏目に出てしまうような難しい相場である。