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ソニーグループ(株)【6758】の掲示板 2017/02/14〜2017/02/23

>>998

私にとっては東芝、パナソニック、ソニー、シャープというのは日本を代表する大手電機メーカーとしてとても尊敬する技術力のある企業なのです。しかしこの5,6年の間にパナソニックやソニーは普通の家電を作っていても韓国勢などの安価な製品に押されて売り上げの低下が止まりませんでした。そこで、パナソニックは住宅用の電気製品や電気自動車の電池の開発に力を入れて復活しました。一方、ソニーは赤字続きであったテレビ事業も高価格帯の製品と4Kテレビに注力して黒字に転換することができました。そして不採算部門のリチウムイオン電池事業を1000人の従業員ごと村田製作所に譲渡し、採算性を向上させることに成功しました。また、プレイステーション4などのゲーム機器でも世界をリードするようになり、世界のソニー復活ののろしを上げるようになりました。あいにくシャープは業績低迷で台湾の鴻海精密工業に買収されてしまいましたが・・・ 一方、東芝は一昨年の粉飾決算で大きく傷つきましたが、株価も昨年の11月には年初来最高値をつけて復活の兆しが見えてきたと思っていたところ、12月に米原子力子会社が7000億もの減損になることを発表し、金融機関や株式市場を驚かせました。

 今のところ、東芝はこの3月の通期決算で債務超過になるのは確実であり、東証2部に降格となります。しかし、当初は政府系銀行である日本政策投資銀行が東芝に資本注入する方向で東芝再生が検討されていました。背後に原子力産業推進派の経済産業省が動いていたからです。東芝のメインバンクは、三井住友銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行ですが、その他の地銀など80行が銀行団として控えています。しかしこれらの銀行団の本音は早く東芝への融資を引き揚げたいというものなのです。メインバンクが融資を引き揚げて東芝倒産の引き金を引いたらメインバンクが産業界から批判されるので、政府系銀行である日本政策投資銀行の融資がうまくいかなくなってほしいと思っているのです。そうなればメインバンクが引き上げても批判される程度が少なくなるからです。

 しかし、今日の記事①にも書かれていますが、米原子力子会社のウエスチングハウスで内部告発があり、第3四半期の決算発表を監査法人が承認しなかったことから2月14日から1か月延期されました。内部告発の内容は、東芝の会長とウエスチングハウスの社長が東芝の決算に有利なように決算書を書き換えるようにウエスチングハウスの経理部門に圧力をかけたということらしいのです。この情報を知ったある大物政治家が、東芝支援派の経産省や国会議員などに「これは確実にスキャンダルだな!」と言って東芝への公的資金の注入をけん制したので、日本政策投資銀行からの融資がなくなったそうなのです。そこで、東芝は自力でこの3月の債務超過を解消するために、虎の子の半導体メモリー事業を分社化してその株式の過半数~100%を売却する方向で1~2兆円を作り出して債務超過を回避する方向で検討しているのです。しかし、3月までに分社化して売却するには期間が短く、足元を見られて売価が少なくなるので、4月以降の売却に変更し、とにかく少しでも高く売却する方向で検討しているようです。

  • >>1004

    このように今や東芝は、医療機器事業で優良だった東芝メディカルを富士フィルムに売却し、白物家電は中国の美的集団に売却し、持っている工場用地も売却して、最後はこれまでの東芝の利益の80%を稼いできた虎の子の半導体メモリー事業を分社化して売却することにしたわけです。そうなると残るのは原子力部門と社会インフラ部門の東芝エレベーターぐらいしかありません。このエレベーター会社は非上場ですが、売却しても大した価格にならないことと、東芝の持っている鉄道会社やテレビ局の株式を売却しても500億円程度にしかなりません。さて、今後、東芝は何で稼ごうというのでしょうか。今のところ、福島原発のような廃炉事業を経産省が行政指導で東芝に発注することで東芝を下支えしようと考えているようです。今後、東芝は、国有「東京電力」にまとわりついて原子力発電所の廃炉事業で収益を上げるゾンビ企業として生き延びざるをえないわけです。

     しかし、東芝にはまだまだ減損のリスクがあるのです。実は東芝をめぐっては、原発事業以外にも、新たな巨額損失を生みかねない「大型爆弾」が存在しているのです。それは、東芝が米国で手掛ける液化天然ガス(LNG)事業です。これが最大で、「1兆円」という途方もない額の損失リスクを抱える火種となっているのです。どういうことなのかというと、東芝が米テキサス州にあるLNG事業会社と、2019年以降20年間にわたって毎年220万tのLNGを調達するという契約を2013年に締結したのです。「日本の電機メーカーがLNGを取り扱うのは異例のことで、220万tという取引量の大きさもあって、当時から業界内では話題になっていました。東芝経営陣は、『LNGの供給と発電効率の良い新たな火力発電所の建設をセットで受注できれば、大きな利益を上げられる』と契約のメリットを説明していたのですが、『そんな量を引き受けて、さばくことができるのか』と疑問視する声は東芝内部でも少なくなかった」と言われていました。そして「不安」は、見事に的中したのです。契約締結後に石油価格の下落が続いたのにともない、米国産シェールガスの価格が一気に割高になってしまったのです。「2013年当時、電力不足に対応するため東京電力などが新しい火力発電所の建設計画を進めており、そうしたところが発電の燃料としてLNGを引き取ってくれるはずだと東芝の経営陣は楽観視していたらしいのです。
    しかし、フタを開けてみれば販売交渉は難航しました。東芝は慌てて国外での引き取り手を探したのですが、アメリカやオーストラリアで増産が続くLNGは世界中で供給過剰の状態で、買い手はなかなか見つからなかったのです。いまも状況は好転しておらず、最近では、東京電力ホールディングスと中部電力の合弁会社で火力発電向けの燃料調達などを手がける『JERA』に泣きついて、販売支援の契約を取りつけたばかりという状況のようです。要するに、東芝の経営陣は完全に見通しを誤ったわけです。まだあります。東芝の米原子力子会社の減損リスクは1回減損処理すればそれで済むという問題ではないのです。原子力発電所の建設は兆円単位でコストがかかります。今後、米原子力子会社が建設コストの増大で赤字を出した場合、東芝がその損失を補てんするという契約になっているのです。そうなんです。今後も米原子力子会社が赤字を出せば東芝が損失をかぶり、その都度苦労してねん出した現金が吹き飛んでいくのです。