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岩崎通信機(株)【6704】の掲示板 2023/03/08〜2024/03/30

■岩崎通信機株式会社誕生創業者、岩崎清一は明治28(1895)年、島根県に生まれた。小学校高等科卒業後、単身上京し働きながら夜間中学に通う苦学力行の人だった。兵役後北海道で事業家として出発した。岩崎は事業手腕に加えて機を見るに敏く、その先見性が彼の自信と決断を支えていた。鉄道や鉱山をはじめとする数々の事業を幅広く手掛けた後、昭和8(1933)年に東京に進出。そこでまず岩崎が着目したのが鉄道、警察、電力会社、鉱山等で使用する電話機の開発だった。当時、それらの現場で使用する電話は、誘導妨害や雑音が入ったり、減衰の大きい不良回線であったり通話困難なことが多かった。そこで妨害を取り除く、誘導除去強力電話機の開発を行った。そしてもう1つ、軍用秘密電話の開発にも着目した。岩崎が軍隊時代の上官を訪ねたとき、たまたま、陸軍が秘密電話を切望しているとの話を聞き、開発意欲をそそられたのだ。すぐに技術者を探し、早稲田大学電気工学科でテレビジョン研究開発を行う早川幸吉との出会いにより秘話装置付電話機が完成した。昭和13年の国家総動員法により、軍当局よりこの秘密電話の発注が本格化。また、先の誘導除去強力電話機に対する関心も高まり、官民双方で大幅に採用された。その結果、事業基盤がようやく固まり、昭和13(1938)年に個人企業から株式会社に改組し、渋谷区代々木上原に資本金30万円、従業員約50名で岩崎通信機株式会社が誕生した。この時岩崎は43歳だった。