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巻き返すには通信各社が基地局整備を急ぐしかない。ドコモなど通信4社は24年度までに合計で少なくとも1兆6千億円の5G投資を計画する。5000億円規模を投資するKDDIは基地局整備を前倒しする。ドコモはコロナで1万局の基地局整備(21年6月時点)が間に合わないとみていたが、部品調達などを徹底し、このほど計画通り達成できる見通しだと明らかにした。ソフトバンクも基地局の整備を前倒しで急ぐ。

5Gを巡る競争は先が長い。4Gを活用する初期段階の5Gは高速大容量通信が中心だ。低遅延、多数同時接続といった5Gのフル機能が始まるのは22年以降とされる。現在も標準化を検討する業界団体が仕様を調整している。「日本が巻き返す上でここからが勝負となる」(ソフトバンクの宮川潤一副社長)

しかし、海外はコロナを機に5G活用で先をいく。「肺の病巣が鮮明に見えた」。3月、中国雲南省の昆明医科大学で新型コロナの肺炎患者の遠隔診療が行われた。仮想現実(VR)ゴーグルをかけた医師が3次元(3D)画像で再現した肺の様子をつぶさに調べる。省内の病院と大学をつないだのは5Gの通信だ。

「36時間足らずで病院に5G基地局を開通した」。中国移動(チャイナモバイル)の楊傑董事長は6月、湖北省武漢市の臨時病院での取り組みをこう振り返った。中国政府は20年末で60万局の設置を目指す。産業を変える力を持つ5Gを一気に広げようと国を挙げたインフラ建設が進む。

新型コロナの影響でテレワークやオンライン教育が広がり、通信は一段と身近で重要なインフラになった。5Gが新常態を支える基盤技術として広がるかどうか。海外との差が縮まらなければ、5Gを活用する日本の企業の競争力にも影響を及ぼしかねない。