ここから本文です
Yahoo!ファイナンス
投稿一覧に戻る

富士フイルムホールディングス(株)【4901】の掲示板 2020/05/25

>>1343

富士フイルム株、「特許の崖」懸念で急落 アビガン期待7割消失
25日の東京株式市場で富士フイルムホールディングスが急落した。前期の減益決算に加え、新型コロナウイルスの治療薬として注目が集まる「アビガン」への期待の後退が売りを呼んだ。22日に発表した2020年3月期の連結決算(米国会計基準)は純利益が前の期比9%減の1249億円だった。インスタントカメラなどの販売が減ったほか、在宅勤務の広がりで事務機の販売も落ち込んだ。新型コロナの影響で、ほかの精密各社の業績が大幅に悪化するなかでは踏みとどまったともいえるが、「現時点では合理的な算出が困難」として21年3月期の業績や配当の予想については「未定」とした。
業績以上に失望売りを誘ったのが「アビガン」の動向だ。現在、アビガンは新型コロナの患者を対象とした治験に日米で取り組んでいる。国内では6月末をメドに治験を終え、1月当たりの生産能力を7月に約10万人分、9月には約30万人分と段階的に拡大する見通しだ。
ところが、22日の決算発表後の記者会見で岡田淳二取締役は承認の申請時期について「規制当局と協議している段階」として、明らかにしなかった。今後は安全性を確認して承認取得を進める方針だ。「アビガンの業績寄与には時間がかかるとの見方が強まり、売りを促した」。
投資家はアビガンを巡る特許権の問題にも懸念を募らせている。医薬品の特許は通常、「物質」「用途」「製剤」に大別される。物質特許は有効成分を構成する物質に関する重要な特許で、薬の付加価値の源泉だ。物質特許の効力が最も広く、化合物をある特定範囲に使うための用途特許、医薬品を製造するための製剤特許の順で効力が狭まる。
現在、アビガンは製造するための「製剤特許」については国内外で保有する一方、「物質特許」は海外で失効しており、国内のみで有効な状況だ。
いちよしアセットマネジメントの秋野充成取締役は「収益の源泉である『物質特許』が海外で切れている点を踏まえると、市場が期待するほどアビガンの業績寄与は大きくならない可能性があり、現在の株価は買える水準ではない」と話す。新薬の物質特許が切れ、後発薬が登場して売り上げが奪われる現象を指す「特許の崖(パテントクリフ)」の状況に陥っている可能性がある点を警戒する。
〔日経QUICKニュース(NQN)