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アンジェス(株)【4563】の掲示板 2016/06/17

ヒトパピローマウイルス(HPV)を標的とした子宮頸がんの免疫療法は多数試みられているものの,いまだ実用化されていない。

東京大学大学院産婦人科学准教授の川名敬氏らは,全身免疫誘導では子宮頸部粘膜に有効な抗HPV細胞性免疫が誘導されていないと考え,粘膜免疫を誘導する免疫療法を開発。子宮頸がん前がん病変(CIN3)を対象とした臨床試験で退縮が認められたと,第43回日本臨床免疫学会総会(2015年 10月22~24日,会長=兵庫医科大学内科学講座リウマチ・膠原病科主任教授・佐野統氏)の合同シンポジウム「新規治療を目指す免疫疾患研究の最前線」で報告した。

CIN2, CIN3で高発現しているHPVのE7遺伝子を標的とする経腸管投与のがん免疫療法を考えた。がん原性をなくすため変異型E7とし,乳酸菌Lactobacillus caseiに遺伝子導入して死菌化し,腸溶化カプセルに封入して経口投与するE7標的がんワクチン(LacE7)を開発した。第I/Ⅱa相自主臨床試験では,HPV16型のCIN3患者17例を対象に,LacE7を1,2,4,6カプセル投与群に分け,1,2,4,8週目に1日1回5日間投与し,9週目に退縮が認められれば経過観察,変化がなければ円錐切除を行った。

 その結果,抗E7細胞性免疫の誘導が末梢血中には見られず,子宮頸部リンパ球で強く認められ,免疫誘導が最も高かったのは1日4カプセル(1g)投与群であった。これを至適用量とすると,投与12週時点で10例のうち8例がCIN2へ退縮し,その後も3例で維持,1例ではさらにCIN1に退縮,2例で正常化した。子宮頸部上皮内リンパ球中の抗E7細胞性免疫誘導能は非退縮群に比べ退縮群で有意に高く,免疫学的薬理効果と病理学的臨床効果との間に相関性が認められた。同氏は「粘膜投与型免疫療法により,粘膜リンパ球に腫瘍抗原HPV E7特異的な細胞性免疫を誘導でき,HPVによるCIN3への臨床的有効性が認められた。現在,第Ⅱb相臨床試験中。

全世界 CIN2 3 1000万人
CIN1 3000万人

今回のIRが出たということは、第Ⅱb臨床試験も順調なのではないか。