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塩野義製薬(株)【4507】の掲示板 2022/06/10〜2022/06/14

022/1/22付  朝日新聞デジタル( 既報であり、
当塩野義掲示板でも物議を交わした記事の抜粋です。)


感染症専門の塩野義製薬(大阪市)が持つ大阪府豊中市の研究施設。その一角に二つの「ライブラリー」がある。世界中から集めた約10万個のウイルスや菌を保管したものと、創薬の種になる約100万種類の化合物を保管したものだ。感染症の分野では、どちらも民間企業では国内最大とみられる。

 同社で30年間、感染症に携わる山野佳則研究員(59)は、この蓄積があるかないかで「治療薬開発のスピード感が変わる」と話す。

 新型コロナウイルスの飲み薬の開発は、感染症に関連する化合物の中から可能性のありそうなものを選び、有効性を確かめる作業の繰り返しだ。ウイルスの扱いや化合物の選定など、経験がなければ難しい作業だという。

 菌やウイルスのライブラリーは維持費や購入費で年間数億円にのぼる。化合物も室温の調整やロボットでの管理など、費用がかさむ。感染症事業を続けるには、ほかにワクチンや薬の生産設備の維持費、工場を管理するための人件費もかかる。これらは感染症が流行しようがしまいが、毎年のしかかる負担だ。

 海外では、感染症を国家の安全保障上のリスクととらえ、製薬会社を支援する仕組みを整える国がある。

 内閣官房健康・医療戦略室の調査によると、米国は、平時でも感染症関連に年間5千億円以上を投じ、研究開発を促す。英国は薬を開発した会社に毎年定額料金を前払いし、必要なときに薬を受け取れる「サブスクリプション」の制度を導入した。

 日本政府も新型インフルの流行後、タミフルやイナビルなどの治療薬を備蓄する制度を設け、平均して年間100億円前後を備蓄分の更新にあてる。ただ、備蓄は一部の治療薬のみで、薬の有効期限の関係で更新しない年もあり、研究する企業に安定してお金が入るわけではない。

 手代木社長は言う。「事業を持続できるかどうかが重要だ。新しいビジネスモデルができなければ急性感染症の治療薬をやめることも考えないといけない」(田中奏子、千葉卓朗、渡辺淳基)