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信越化学工業(株)【4063】の掲示板 2021/11/18〜2022/01/05

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goikenban 強く買いたい 2021年12月4日 12:35

半導体戦争が世界を引き裂く
編集委員 太田泰彦 ~「日本の論点2022」から#太田 泰彦 #編集委員
2021/12/4 5:00 [有料会員限定]

 2022年の世界は、半導体という戦略物資に振り回されることになるだろう。いつか来た道である。1940年代、米国を中心とするABCD包囲網によって日本が石油の供給を断たれ、太平洋戦争に突き進んでいった歴史が脳裏をよぎる。
半導体を武器として使う戦略的な通商政策が世界の潮流となれば、大国間の緊張は一段と高まる。世界半導体戦争の始まりである。それは、自由貿易の時代の終わりを意味する。
技術をめぐる覇権競争は激しくなる一方だ。米国のバイデン政権と中国の習近平政権は、それぞれ自分の国の国境線の内側に半導体の技術を囲い込もうと走り出した。その目的のために、あらゆる政策手段を総動員するのは間違いない。(中略)
 世界を引き裂く半導体戦争が勃発しようというこの局面で、日本が向き合うべき論点とは何か。
サプライチェーンの要衝である台湾との連携がカギとなるのは間違いない。米国の想定と同様に、国内にファウンドリーを持たない限り、安全保障を高められないからだ。半導体が戦略物資であることを考えると、いくら知恵やノウハウがあっても、実際にモノが手中になければ、禁輸などの貿易制限を発動できない。
このため経済産業省は、TSMCの工場誘致を目指して同社と水面下で交渉を進めている。同社は日本で初めてとなる量産工場を熊本県に建設する調整を進めている。主にソニーグループのイメージセンサー向けに生産する模様だ。
イメージセンサーは「CMOS」と呼ばれる半導体の一種で、スマホや監視カメラなどに使われる。ソニーの市場シェアは世界首位で、主力工場が熊本にある。TSMCが検討する工場建設は2段階に分かれ、第1段階は23年にも生産を始めるという。24年に完成する米国のアリゾナの工場に先んじて熊本工場が動き出す可能性がある。
経産省は「ポスト5G」の基盤強化を名目に19年度、1100億円の予算を計上した。さらに900億円を20年度3次補正予算案で上積みするなど、政府助成の準備も怠りない。とはいえ、この規模の予算では世界各国に太刀打ちできない恐れがある。
自前でサプライチェーン全体を築くのではなく、素材や製造装置、3次元集積など、日本企業が得意とする分野でチェーンの一部を握るという考え方もある。そうすることで、米中に対しても影響力を行使できる地位を確保できるはずだ。
 シリコンすウエハ世界シェアナンバー1の信越化学も重要性はますます高くなる。

信越化学工業(株)【4063】 半導体戦争が世界を引き裂く 編集委員 太田泰彦 ~「日本の論点2022」から#太田 泰彦 #編集委員 2021/12/4 5:00 [有料会員限定]   2022年の世界は、半導体という戦略物資に振り回されることになるだろう。いつか来た道である。1940年代、米国を中心とするABCD包囲網によって日本が石油の供給を断たれ、太平洋戦争に突き進んでいった歴史が脳裏をよぎる。 半導体を武器として使う戦略的な通商政策が世界の潮流となれば、大国間の緊張は一段と高まる。世界半導体戦争の始まりである。それは、自由貿易の時代の終わりを意味する。 技術をめぐる覇権競争は激しくなる一方だ。米国のバイデン政権と中国の習近平政権は、それぞれ自分の国の国境線の内側に半導体の技術を囲い込もうと走り出した。その目的のために、あらゆる政策手段を総動員するのは間違いない。(中略)  世界を引き裂く半導体戦争が勃発しようというこの局面で、日本が向き合うべき論点とは何か。 サプライチェーンの要衝である台湾との連携がカギとなるのは間違いない。米国の想定と同様に、国内にファウンドリーを持たない限り、安全保障を高められないからだ。半導体が戦略物資であることを考えると、いくら知恵やノウハウがあっても、実際にモノが手中になければ、禁輸などの貿易制限を発動できない。 このため経済産業省は、TSMCの工場誘致を目指して同社と水面下で交渉を進めている。同社は日本で初めてとなる量産工場を熊本県に建設する調整を進めている。主にソニーグループのイメージセンサー向けに生産する模様だ。 イメージセンサーは「CMOS」と呼ばれる半導体の一種で、スマホや監視カメラなどに使われる。ソニーの市場シェアは世界首位で、主力工場が熊本にある。TSMCが検討する工場建設は2段階に分かれ、第1段階は23年にも生産を始めるという。24年に完成する米国のアリゾナの工場に先んじて熊本工場が動き出す可能性がある。 経産省は「ポスト5G」の基盤強化を名目に19年度、1100億円の予算を計上した。さらに900億円を20年度3次補正予算案で上積みするなど、政府助成の準備も怠りない。とはいえ、この規模の予算では世界各国に太刀打ちできない恐れがある。 自前でサプライチェーン全体を築くのではなく、素材や製造装置、3次元集積など、日本企業が得意とする分野でチェーンの一部を握るという考え方もある。そうすることで、米中に対しても影響力を行使できる地位を確保できるはずだ。  シリコンすウエハ世界シェアナンバー1の信越化学も重要性はますます高くなる。