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佐藤食品工業(株)【2814】の掲示板 2015/04/28〜

パックご飯生産最多 コロナ下追い風に 10年で倍


 パックご飯の勢いが続いている。農水省が10日に公表した2020年の生産量は22万4430トンとなり、統計がある1999年以降で最多となった。茶わん1杯150グラムで換算すると約15億杯分になる。簡便さから日常的な消費が定着し、新型コロナウイルス下では家庭での巣ごもり需要を捉えた。輸出も好調で、米では数少ない成長分野となっている。

 同省の食品産業動態調査にあるレトルト米飯と無菌包装米飯の合計で生産量を算出し、20年は前年を7%上回った。10年前より2倍近くになり、16年から5年連続で最多を更新中だ。原料米の年間使用量は推計で12万トン強(玄米換算)に及ぶ。

 パックご飯は米離れの一因である炊飯の手間が省け、電子レンジで温めれば手軽に炊きたてご飯のおいしさが味わえる。単身・共働き世帯の増加や高齢化が進んだことで「簡便ニーズが高まり食卓に定着した」(全国包装米飯協会)。新型コロナ下では家庭での消費機会がさらに増え、電子商取引(EC)サイトなどを通じて、まとめ買いする傾向も高まった。

 拡大する市場に商機を見て、大手メーカーの佐藤食品工業、テーブルマーク、東洋水産は近年、パックご飯の製造ラインの増設や新工場建設で生産能力を高めている。加えて米卸・神明の子会社ウーケや新興勢力のアイリスオーヤマなども注力。JAグループではJA全農が佐藤食品工業と18年7月に資本業務提携を結んだ。米産地が参入する動きも出ている。

 パックご飯の売り先は海外へも広がり、輸出も好調だ。20年の輸出量は1203トン(約6・5億円)で、前年より18%増えた。主力の香港へは輸出量が2倍になっている。

 米全体の消費は人口減や食事の洋風化などで低迷が続き、年間需要量(19年7月~20年6月)は714万トンと10年前より約100万トン(13%)減少した。冷凍チャーハン・冷凍おにぎりなどの他の加工米飯も需要が鈍化している中で、「パックご飯は国内外で伸びが見込める」(同省穀物課)と期待が集まっている。