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(株)トランスジェニック【2342】の掲示板 2021/04/14〜2021/04/30

第121回日本外科学会定期学術集会
2021年4月8日(木曜日)~10日(土曜日)

固形腫瘍における尿中ジアセチルスペルミン値の解析

尿中ジアセチルスペルミン値(以下DAS)はこれまで主に大腸癌において研究が進められてきており、新たな腫瘍マーカーとして期待されている。今回、大腸癌以外の固形腫瘍におけるDAS陽性率を検討する。対象と方法:食道癌9例、胃癌10例、乳癌10例、甲状腺癌1例、肝胆膵癌10例(胆道癌3例、膵臓癌5例、肝臓癌2例)の計40例を対象とした。治療前の尿を採取し、尿中DASを測定し、既存の血液腫瘍マーカーと比較した。結果および考察:既存の腫瘍マーカーを含めた陽性率は食道癌:DAS 33.3%、CEA 12.5%、SCC 62.5%、p53 22.2%。胃癌:DAS 40%、CEA 10%、CA19-9 10%、CA72-4 10%、p53 10%、AFP 0%、CA125 0%。乳癌:DAS 20%、CEA 0%、p53 11.1%、CA15-3 11.1%、BCA225 11.1%、NCC-ST439 22.2%。甲状腺癌:DAS 0%、サイログロブリン100%。胆道癌:DAS 33.3%、CEA 0%、CA19-9 0%、p53 0%、Dupan-2 0%、Span-1 0%。膵臓癌:DAS 20%、CEA 20%、CA19-9 100%、p53 25%、Dupan-2 20%、Span-1 80%、エラスターゼ1 40%。肝臓癌:DAS 50%、CEA 0%、CA19-9 0%、p53 100%、AFP 50%、AFP-L3分画 0%、PIVKA-II 50%。5例以上集積した癌種においてのDASの陽性率は20~40%であった。DASは既存の腫瘍マーカーが陰性であった症例のうち、食道癌で1例、胃癌で3例、胆道癌で1例が陽性となった。DASは大腸癌以外の腫瘍においても陽性となることが示された。