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アルヒを語る上で外せないのが2つの不正融資報道です。

まず一つ目が2018年5月4日に朝日新聞が報じた、フラット35が不動産投資に不正利用され、住宅金融支援機構が調査を開始したという報道です。

これはアルヒが名指しされたわけではありませんが、不正が見つかったのは、東京都内の中古マンション販売会社が販売した物件向けのローンで、元社員が関与した不正融資の顧客は20~30代前半の若者を中心に100人超で融資額は1人2~3千万円程度、総額数十億円規模と報じられました。

これについては、住宅金融支援機構が昨年の12月に調査結果を発表し、162件33億円の不正利用が見つかり、機構は国へ2,200万円の補助金を返還、そして不正利用者には一括返還の請求を開始しています。

アルヒはこの調査を受けて、2019年1月に店舗へ注意喚起、1月から3月には不正利用が確認された販売会社の案件を取扱停止、3月にはフラット35申込者への説明の徹底と署名捺印の全件取得へプロセス変更、12月には属性に着目した不正検出システムホークアイ1.0を稼働し、2021年3月期中には物件に着目したホークアイ2.0を稼働する予定です。

アルヒの社内調査でアルヒが主体的に行った不正は見つからず、機構からの買戻請求も受けていないため、この問題については解決済みであると考えられます。

そして二つ目が2020年1月27日に日経新聞が報じた、アルヒとアプラスの投資用マンション融資で、借入希望者の審査資料が改ざんされたという報道です。

相手側弁護士によると、審査資料が改ざんされたのはアルヒの神奈川県内の2つの店舗に集中しており、いずれもフランチャイズ店であり、2017年10月にスルガ銀行のシェアハウス問題が発覚して以降、融資縮小で行き詰まった悪質な不動産業者が、億円規模の1棟物件からワンルームといった区分マンションの販売に流れたことによるものと報じられました。

これについては、2018年2月頃に顧客から書類が改ざんされた可能性があるとの申し出を受け、9月からは原本提出を求め始めるとともに融資件数も大幅に厳格化、そして報道を受け2020年1月27日には社内に特別調査チームを立ち上げ、3月31日に調査結果を受領、アプラスでも同様に4月1日に社内の特別調査委員会から調査結果を受領し、ともに両社が主導した不正融資はないと結論づけました。合わせて、2020年2月より投資用マンションローンの取扱を完全に中止しています。

この件では、約200名の被害者が団結し440億円の債権放棄を勝ち取ったスルガ銀行・スマートデイズ被害者同盟と同様に、約20名の被害者がアルヒ・アプラス不正融資被害者同盟を立ち上げています。

まず事実として、販売会社が書類を改ざんしています。被害者同盟は販売会社元幹部のアルヒに指示されたという証言をもとに金融庁へ調査を求めていますが、一般的に元幹部は改ざんした張本人であり、自分が主導したと言うはずもなく、その証言は信憑性がかなり薄いと考えられます。

今回、スルガ銀行の不正融資や2018年8月31日に発覚したTATERUの不正融資と大きく異なるのが、そもそもアルヒにあまり旨味がないという点です。スルガ銀行は融資により、TATERUは物件販売により大きな利益を得ますが、アルヒはアプラスへのただの取次役であり、スーパーフラットのように審査・物件評価・債権管理に関わっていないため、フランチャイズ店にも不正を働く動機がありません。

また、スルガ銀行は第三者委員会、TATERUは特別調査委員会の調査でそれぞれ不正が確認されましたが、今回アルヒ、アプラスの2社がそれぞれ調査したにも関わらず、不正が確認されなかった点も異なっています。

これらを考えても、被害者の方は本当に苦しい立場であり、サブリースの問題、不動産営業の問題は多々ありますが、少なくとも当時あるいは現在の法律では、アルヒの責に帰す理由は全くないと考えられます。

2つの不正融資報道を受けて、厳格な融資体制が確立されたアルヒ。その融資が広がることで、社会全体の利益につながっていきます。