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MHAM金先物ファンドの掲示板

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三菱UFJ銀行の内田稔氏は「リスクオフの環境で新興国通貨が売られ、ドルが相対的に強まった」と指摘する。景気の下振れリスクが米国より高いインドのルピーやロシアのルーブルなどはドルに対し下落が目立つ。

ブレグジットで経済混乱への警戒感が強まる英ポンドや、イタリア政局への不安が残るユーロも安くなっている。

資産価値が減りにくく「無国籍通貨」の側面がある金は、市場規模が大きい基軸通貨ドルの代替投資先とされる。両者は逆の値動きをすることが一般的だ。瞬間的に金、ドルがともに上がることはあっても、長くは続かないことが多い。

だが今回は様相が異なる。堅調なドル相場をみても、金は上がり続ける。ドルの上昇と金高の併存は「ドル高を跳ね返すほど、安全資産として金への投資需要が強い証左」(ニッセイ基礎研究所の上野剛志氏)との指摘が根強い。市場の不安心理の強さを裏付ける。

金とドルの同時高はこれまで「ギリシャ危機だった10~11年など例が少ない」(野村証券の大越龍文氏)。ギリシャ債務危機の際は、金融市場の相場急変による損失を避けたい投資マネーが金とドルに同時に流れ込んだ。ドル指数は09年末から10年夏にかけて上昇が続いた。

金価格もそろって上がった。現物価格と並び世界の指標となるニューヨーク市場の先物価格は、10年初は1トロイオンス1100ドル台だった。1年半で3割上昇し、11年8月には最高値に迫る1900ドル台を記録した。

一段の上昇も

金価格は当面、上昇基調が続きそうだ。ニューヨーク先物は9月に入り6年5カ月ぶりの高値である1560ドル台をつけた。次の心理的な節目は1600ドルだ。

米中両国は閣僚級会合を10月に実施することを決めた。ただ両国の貿易摩擦を巡る対立は根深く、「緊張緩和で合意できるか見通せない」との見方が多い。

米トランプ政権は9月に幅広い消費財に追加関税を課した。米国の企業業績の悪化や、消費者心理の冷え込みが懸念されている。ニッセイ基礎研究所の上野氏は「1600ドルを超える展開も考えられる」と指摘する。