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トヨタ、EV挽回に1.7兆円 テスラ減速で投資余地

トヨタ自動車は8日、電気自動車(EV)や人工知能(AI)などの成長領域への投資を2025年3月期で1兆7000億円と4割増やす方針を打ち出した。向上した「稼ぐ力」を将来の投資に振り向け、米テスラや中国勢への競争力に対する不安の払拭をめざす。

「意志を持って足場固めに必要なお金と時間を使っていく」。8日に記者会見したトヨタの佐藤恒治社長は今期に将来への投資にギアを上げることを宣言した。設備投資は前期比7%増の2兆1500億円、研究開発費は同8%増の1兆3000億円を見込み、いずれも過去最高となる。

投資先としてAIを活用した自動運転など、車をソフトウエアで制御する技術を挙げた。また電池と水素のエネルギーのデータを活用する事業も強化する。脱炭素化につながる次世代エンジンの開発も強化する。

投資強化の背景には、自動車産業の急速な変化への危機感がある。

競争軸はソフトウエアやEV化だ。テスラは24年に自動運転など向けのAIの開発に100億ドル(約1兆5000億円)を投じる方針を明らかにし、8月に自動運転タクシーを公表予定だ。

中国では小米(シャオミ)など通信機器から参戦した新興EVメーカーが、ソフトウエアを武器に「クルマの知能化」で攻勢をかけるほか、価格競争も激化している。

EVは欧米で足元で減速しているものの、中長期での成長シナリオは変わらない見通しだ。国際エネルギー機関(IEA)は2035年の世界販売台数のうち、プラグインハイブリッド車(PHV)を含むEV比率は5割超と予想する。

  • >>6595

    佐藤社長は26年に150万台のEV販売目標を掲げるが、そこにPHVを含める考えを新たに示した。ただ、EVにPHVを加えた数字でも23年は25万台と全体の2%程度にとどまる。EVではテスラは180万台、中国の比亜迪(BYD)は300万台(PHV含む)と大きく水をあけられている。

    ただ、足元のEV需要は欧米で減速。テスラは24年1〜3月期に4年ぶりに減収減益となった。競合が足踏みする中、稼ぐ力が向上しているトヨタにはEVで挽回余地が生まれつつある。

    背景にあるのが、強みのハイブリッド車(HV)への追い風だ。1997年に発売した世界初の量産HV「プリウス」と比べ、最新のHVシステムの原価は6分の1に削減した。ガソリン車よりも1台あたりの利益は1割高いとしており、HVの販売増が増益につながる。23年度の販売は前の期比3割増の355万台となった。

    トヨタの23年度の営業利益率は11.9%とテスラの9.2%、独フォルクスワーゲン(VW)の7%より稼ぐ。自動車事業の営業キャッシュフローも約6兆9700億円とテスラの約2兆円を上回り、稼ぐ力の向上が投資加速の原資となる。

  • >>6595

    設備投資では米国で電池生産へ約2兆円の投資を進めているほか、4月には米国で2工場目となるEV生産に向けて2100億円を投資すると表明した。中国でも新型EVを相次いで投入するほか、ネット大手の騰訊控股(テンセント)とソフトウエア分野で共同開発を進め、競争力を高める。

    研究開発費や設備投資の増加は、短期では利益を押し下げる要因にもなりうる。25年3月期はこれらの投資が3200億円の減益要因になる見通しだ。

    カギを握るのはスピードだ。中国勢はAIを活用した自動運転にシフトし、低価格EVでも攻勢をかける。世界最大市場の中国でトヨタは販売台数が24年1〜3月期に前年同期比で1.6%のマイナスとなった。トヨタの営業利益の16%分を稼ぐ牙城である東南アジアでも中国勢は攻勢をかける。