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ソフトバンクグループ(株)【9984】の掲示板 2015/05/12〜2015/05/14

>>556

Pick 3:現状にあぐらをかくことを許さない

5月7日、アリババは唐突に最高経営責任者(CEO)の交代を発表した。2年前にマー会長からCEOの座を譲られたジョナサン・ルー(陸兆禧)氏が退任し、3代目として1972年生まれのダニエル・チャン(張勇)氏が同10日からCEOに就く。

このトップ交代には2つの意味があると語られている。

ひとつは「ジャック・マー、アリババ社員に向けて『これからは若者の時代』」でご紹介したように、1970年代生まれがこの資産価値2000億ドルを超える企業の全権を握ることになるということだ。

実のところ、中国の経済シーンでは世代間の意識のギャップが激しい。社会主義的な計画経済時代に社会に出た50代以上の世代と、大学入学枠拡充+海外留学+ITブームまっただ中に就職した世代では明らかに経済に対する意識が違うし、そのスキルも違う。

特にアリババのようなIT新興企業では若手世代の躍進は明らかで、マー会長が言うような「1960年代生まれが3%」という現実は不思議でもなく、1970年代生まれのCEOはそれほど珍しくない。

だが、一方でこの人事の裏には「アリババの事情」があるとIT業界サイトではささやかれている。その事情とは、マー会長の「海外売り上げを全体の50%にしていく」という目標だ。

CEO交代に関する、ブルームバーグの報道「Alibaba Shares Jump as Chinese E-Commerce Giant Replaces CEO」(英語/中国語)によると、第1四半期における海外売り上げは現実にはわずか9%。その目標達成にはまだまだ距離がある。

そんな中、穏やかな経営手腕が評価されてきたルー前CEOに代わってチャン氏がCEOに就いたのは、ずばり「ニセモノ退治」の手腕が期待されてのことだという。

チャンCEOは2007年にアリババに入社して以来、タオバオで最高財務責任者(CFO)、最高執行責任者(COO)を務めてきた。毎年11月11日の「シングルズ・デー」にタオバオ挙げて特売を行うことを思いついたのもチャンCEOだ。

タオバオの生態を隅々までよく知る彼は今後、アリババCEOという立場からタオバオばかりではなくアリババ業務の展開にとってネックとなる「ニセモノ退治」に乗り出し、今後の海外事業展開をスムーズにしていく任務を負うとされる。

すでにその一挙一動が世界中の視線を引き寄せるアリババは、そう簡単には揺らがない。中国市場を制し、中国政府すらすり寄ってくるこの巨大帝国は次に何を「やらかす」のだろうか。