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ソフトバンクグループ(株)【9984】の掲示板 2017/06/18〜2017/06/20

日経新聞
投資家・孫氏の兵法 10兆円ファンドに命運賭ける 【1/2】
2017/6/20 12:00
 「世の中からはクレージーと言われたと思うけど、本当はやっておくべきだった」。孫社長が、今でも悔やむ幻の投資案件がある。
 投資先は米アマゾン、米グーグル、中国の百度(バイドゥ)。2000年代初めのITバブル崩壊直後だったが、必ず成長するとみてこれらIT企業への出資を画策。アマゾンには発行済み株式の3分の1の出資を検討、百度に至っては契約書も出来上がり、買収直前まで話が進んでいたという。
逃した「大魚」
 ソフトバンクは当時、国内ブロードバンド事業参入を計画中だった。ITをとるか、ブロードバンドで行くかで悩んだ揚げ句、2001年ADSLサービス「ヤフー!BB」を開始。06年には英ボーダフォン日本法人の買収で国内携帯事業に参入した。13年には米スプリントを買収、通信事業の強化へと突き進んでいった。
 十分な資金がなかったから、二者択一になった。もし、あの時に出資していたら「50兆円くらいのリターンにはなっていたと思うよ」。孫社長は「逃がした大魚」を嘆く。
 IT企業は買わなかったが、積極果敢なM&A(合併・買収)でソフトバンクの連結有利子負債は今年3月末で約14兆8500億円。東京都の年間予算を上回る。野放図に借金を増やし続けるのはさすがに厳しい。
 そこで孫社長が出した答えが10兆円規模の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」だ。サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)アブダビ政府のオイルマネーを取り込み、投資ファンドとしては前代未聞の規模の「お財布」を手に入れた。
 「今、私の手には未来を見通す水晶玉があります」。昨年9月、孫社長はサウジアラビアのムハンマド副皇太子を前に得意の大風呂敷を広げた。
 「水晶玉」とはソフトバンクが昨年、約3.3兆円で買収した英半導体設計大手のアーム・ホールディングス。アームの設計する半導体は9割の世界シェアを握る携帯電話向けのほか、モノがネットにつながる「IoT」や自動運転など、あらゆる先端分野に広がる見通し。その半導体を通じて得る膨大なデータが変わる未来を見通す手掛かりとなる。
 孫氏は副皇太子に構想を語り、45分の面会で450億ドル(約5兆円)の出資を引き出した。「1分で10億ドルか。まあ、悪くない」と孫社長はほくそ笑む。