ここから本文です
Yahoo!ファイナンス
投稿一覧に戻る

川崎汽船(株)【9107】の掲示板 2023/03/16〜2023/03/19

今新聞を読んでいたら海運の記事が。能天気なおんどれらも新聞くらい読んでいると思うけど一応貼っておきます。


【縮む世界の物流、逼迫一転 停止コンテナ船比率3倍 米小売りの在庫急増】

世界で物流の落ち込みが鮮明だ。2月末に運航を停止したコンテナ船の比率は新型コロナウイルス禍前の3倍になり、航空貨物も2023年の輸送量が前年比4%減る。景気の変調で米国の小売業の在庫は急増し、家電などの輸出入が減っている。物流の低迷はモノのインフレ圧力が和らぎつつあることも映し出している。

コンテナ船は荷物の減少に伴い運航数を減らす動きが広がる。仏調査会社のアルファライナーによると、運航を取りやめて港で待機する船の比率は2月末に6.4%まで高まった。前年同期の3倍にあたり1月の5%台からさらに悪化。コロナ前は2%台で、海運会社によっては利益が出ない企業もあるとみられる。

荷動きの減少はアジアと北米を結ぶ航路で顕著だ。日本海事センター(東京・千代田)によれば1月の輸送量は20%減り4カ月連続で2桁の落ち込みとなった。3月上旬の運賃(上海発米西海岸行き)もピーク時の22年2月から85%下がった。

日本郵船によると、アジアと北米を結ぶ航路で運航を停止したり、積み荷が少なく定時運航を取りやめたりしたコンテナ船の比率は1月に25%、2月も27%に達した。単純計算で4~5隻に1隻は計画通りの運航ができていない。

22年も定時運航ができないコンテナ船は多かったが事情は全く異なる。昨年まではコロナ下の巣ごもり需要の増加に、労働者の不足などが重なって港湾の積み荷をさばく能力が大幅に落ちたことが原因だ。運ぶ荷物はあるのにやむを得ず運航を停止せざるを得ず、世界的な供給制約の大きな要因になっていた。

「需給の逼迫が昨秋から一気に緩んで荷物が大幅に減った」。海運大手の担当者は明かす。金融引き締めで米国で住宅販売などが落ち込み、それに伴って家具や家電などの需要が減少した。

物流量が減少する背景には需要の減少を受けた在庫の急増がある。供給制約が解消に向かい、モノのインフレ圧力が和らぎつつある。

米小売業の在庫量は1月は1年前に比べて1割増の約7400億ドル(約100兆円)まで増えた。全米小売業協会によれば、米国の主要港における2月のコンテナ輸入量は26%減り、コロナの流行初期の20年5月以来の低水準になった。3~5月も2桁の減少が続くもようだ。

郵船ロジスティクスは「欧米では消費財の在庫が適正量を超えている。当面は輸送量の低迷が続くだろう」とみる。

航空貨物も減少が続く。国際航空運送協会(IATA)によると1月の世界の航空貨物の輸送量は15%減りコロナ前の19年同月の実績も11%下回った。23年も4%の落ち込みを見込む。IATAは「家計の支出余力が抑制されている」とし底入れには時間がかかるとみている。

物流の構造変化は量の減少だけではない。米中対立の影響などでモノの流れ方も変わってきている。中国から米国に向かうコンテナ輸送(香港含む)は22年に3.2%減と3年ぶりに減少した。東南アジア諸国連合(ASEAN)発は8.9%、インド発は4.8%それぞれ増加しており、中国からの輸入を避ける兆しが出ている。

ロシアによるウクライナ侵攻やコロナ禍による供給網の分断はグローバルサプライチェーンのリスクを浮き彫りにした。自国内や友好国の中で供給網を完結しようという動きが広がる可能性があり、世界の物流の再編はこれからも進みそうだ。