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日本郵船(株)【9101】の掲示板 2023/09/29〜2023/10/05

中間配当の権利取りを挟んで、海運株の上値が重くなっている。事業環境をめぐってもコンテナ船市況の低迷が7-9月(24年3月期第2四半期)決算の不安材料として意識される中、これまでの傾向から株価の先行きを占った。

<コンテナ船運賃低迷>

 海運大手3社の日本郵船<9101.T>、商船三井<9104.T>、川崎汽船<9107.T>はいずれ も、9月20日に年初来高値(各4446円、4655円、5709円)を付けてから相場が軟化した。配当の権利付き最終日は9月27日(落ち日は同28日)だが、それに先立ち資金離れが始まった格好だ。10月2日は各3910円、411円、5213円で引けている。

 各社は業績の急拡大につながったコンテナ船の運賃が、高騰後の急落局面に入った後も高い配当利回りを維持してきた。それにより、今年の5月をボトムに株価水準を切り上げている。配当取りのタイミングで需給が不安定になるのは想定通りの展開だ。

 利回りを手掛かりとする買いがいったん途絶えた後は、事業環境が弱気を呼ぶ。コンテナ船の中国発スポット運賃は、9月末時点で欧州向けが4年ぶりの安値を付け、北米航路も西海岸、東海岸向けがそれぞれ1年前より28%、63%低い。目先の決算に与える影響が不安視されている。

<過去の傾向を参考に>

 ただ、一方では円安による増益効果や、メーカーの生産回復を背景とする自動車船事業の好転も予想されている。日本自動車工業会によれば、日本からの輸出台数は今年8月まで7カ月連続で前年を上回り、8月は前年同月比21%増の35.5万台となった。コンテナ船事業についても、3社の持分法適用会社であるONE社は潤沢なキャッシュにより金利収入が本業の逆風を軽減しているという見方もある。

 過去の配当権利取り前後の海運株の値動きをみると、最初の安値は落ち日から1カ月-1カ月半後に形成する傾向がある。また、直前の高値から同安値までの下落率は浅いケースで10-20%、深いケースで30-40%だ。

 2022年3月以降の平均値を取ると、エントリー水準は郵船が3000-3200円、商船三井が3300-3500円、川崎汽が3900-4100円あたり。また、調整が軽微だった今年3月以降の動きを参考にすると、各3600円、4100円、4800円が目安になる。

海運3社 過去の配当権利前後の値動き

(1)直前の高値
権利     郵船         商船三井       川崎汽
23年9月末 4446(9/20) 4655(9/20) 5709(9/20)
23年3月末 3724(2/28) 3700(2/28) 3475(3/10)
22年9月末 3697(8/12) 3845(8/3)  3473(8/5)
22年3月末 4163(3/18) 3880(3/16) 3150(3/15)

(2)権利落ち後の安値
       郵船         商船三井      川崎汽
23年9月末 -          -          -
23年3月末 3014(4/3)  3265(3/31) 2920(4/3)
22年9月末 2422(9/29) 2578(10/3) 2018(9/30)
22年3月末 2890(4/12) 2785(4/12) 2197(4/12)

(1)→(2)の下落率
       郵船   船三井  川崎汽
23年9月末 -    -    -
23年3月末 19.1 11.8 16.0
22年9月末 34.5 33.0 41.9
22年3月末 30.6 28.2 30.3
株価は株式分割後。単位:円、%

[ 株式新聞ニュース/KABDAS-EXPRESS ]
提供:ウエルスアドバイザー社 (2023-10-03 16:00)