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東京エレクトロン(株)【8035】の掲示板 2023/06/24〜2023/07/05

東京エレクトロンは生成AI(人工知能)関連の需要が「2025年3月期の前半にも業績貢献する」見通しだ。財務を担当する川本弘執行役員(7月1日から常務執行役員)が日本経済新聞の取材に対して明らかにした。当初の収益規模は限定的だが、中長期で成長のけん引役になると見込む。不振が続く記憶用メモリー向けは「今期終盤、または来期から回復基調に入る」との見方を示した。

対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」など生成AIを巡っては米テック大手などが開発を競っており、半導体業界の追い風になるとの期待が高まっている。AIに膨大な情報を学ばせるのに役立つGPU(画像処理半導体)を手掛ける米エヌビディアが筆頭で、米アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)なども巻き返しを狙う。

こうしたGPU製造に欠かせない半導体製造装置大手にも恩恵が波及する。川本氏は生成AI関連の装置需要について、東エレクにも「足元で引き合いがある」とし、「規模はまだまだだが、25年3月期の前半から売り上げに出てくると思う」と話した。今後については「生成AI用のサーバー向け半導体の必要数は増大するだろう。メモリーなどへの広がりも含め、次の成長ドライバーとして期待している」という。

東エレクは24年3月期の売上高が前期比23%減、純利益が36%減と4年ぶりの減少を見込む。足元では顧客の半導体メーカーが設備投資を絞っており、半導体装置の販売が減る。



落ち込みが大きいメモリーについては、川本氏はDRAM向け売上高が早ければ「23年の終わりごろから徐々に上向く」との見通しを示した。東エレクは2月時点で「23年後半から回復基調入り」としていたが、当初想定より遅れる。NAND向けの復調はDRAMの後になるという。

先端分野の演算用ロジック・受託生産(ファウンドリー)向けの回復時期も早くて24年3月期の終盤だといい、「本格的な回復は25年3月期から」(川本氏)とみる。

東エレクの推定する23年の前工程製造装置(WFE)市場は過去最高だった22年から25~30%減るとみる一方、24年は22年と同水準を見込む。東エレクの業績はWFE市場と連動性が高いため、同社の見立て通りになれば来期以降はV字回復を見込める可能性もある。

自動車や産業向けなどを中心とした成熟分野向けは世界各地で好調で、23年の世界の市場のうち、同分野が4割を占める見通し。川本氏は「最終用途の裾野が広いため変動性が小さく、来期以降も安定的に伸びる」と期待を示した。



株主還元では米競合の「フリーキャッシュフローに対する総還元性向7〜8割」という水準も念頭に置くとした。基本方針は配当性向で50%とするが、5月には4年ぶりの自社株買い1200億円を発表した。今期の配当金と合わせた総還元額は2703億円で、「前期(2679億円)以上にすることを意識した」という。