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任天堂(株)【7974】の掲示板 2024/05/01〜2024/05/07

並列処理はとても難しく、仕組みも極めて複雑な技術であるため、それを成功できているメーカーは限られています。

その難しさを簡単に説明すると、並列処理を実現するには、大きく3部分の並列処理環境の開発に成功していなくてはなりません。その環境の一つ目は、並列処理コアを搭載したハードの開発の成功、二つ目は、並列処理に対応しているOS環境の開発の成功、三つ目は並列処理に対応した開発環境の開発の成功、ということです。

これを言葉で書くと簡単ですが、実際の開発はとても大掛かりなものになり、何十年もの時間がかかる開発ですし、これらは相互に深く依存しているので、整合性の調整も難しい仕事になり、さらに性能を引き出せるようにすることも困難な開発になります。難関で先の遠い開発の道のりです。

昔は多くのUNIXサーバメーカーがありましたが、そのほとんどは消え去っていますが、その理由の一つはこの三つの並列処理に必要な必須環境の開発がコスト的に耐えられなくなったからです。

Wii Uなどに使われていたPowerPCは、もちろんお金があり技術もあるIBMのパワー系のアーキテクチャですから、並列処理の開発に成功しています。

しかし、PowerPCは販路をスマホ市場に広げることができず、高い量産効果による低価格の競争と、低消費電力化の競争に負けたということであり、活路は高額なIBMサーバに求めていて、低価格で低消費電力を強く求めるゲーム機とは、辿る道筋が離れたということです。

アーキテクチャの選択は、多くの難しい要素を同時実現していなければなりませんから、PowerPCの選択は、結果論となりますが、ハズレということになりますが、その当時はコスト的に魅力的な提案をIBMがしてきたということでしょう。しかし、その開発の維持が困難になったということだと思います。

さらにその後の選択で、ソニーやマイクロソフトと、任天堂は異なるアーキテクチャの選択の選択の道を進むことになり、その選択がこれからの成長の明暗をにぎります。

要するに、ソニーとマイクロソフトは、大電力を必要とするパソコンアーキテクチャを選択し、負荷の高いゲームが市場に支持されると判断したのに対して、任天堂は小電力しか必要としないスマホアーキテクチャを選択し、高い負荷のソフトは不要と判断したということです。