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任天堂(株)【7974】の掲示板 2020/01/09〜2020/01/17

任天堂がUSJでやろうとしていることの先にあることは、物理空間の上に情報通信空間を重ね、それらを統合することでしょう。もう少し具体的に言うと、物理空間の中にセンサ類を張り巡らし、内部にいる人間の情報を大量に取り込み、リアルタイムで情報を人間に再び与えるシステムです。物理空間と仮想空間の融合ということとです。

もちろん現在の技術でそれがどこまで実現できるかは不明ですが、技術の進歩は凄まじいため、またたくまに物理空間と仮想空間の融合は実現されるでしょう。

開発モデルとしては、バージョン1を日本で開発し、数年後にバージョン2をアメリカで開発し、さらに数年後にバージョン3を中国で開発し、バージョン4を再び日本で開発し、その技術更新のループを無限に繰り返すということです。

この施設の開発費が600億円ということは、6年のサイクルで更新するとして、年間で100億円の償却が発生します。これを一人が2千円負担すると仮定すると、年間で5百万人の来場者が必要であり、一日当たりの必要来場者数は1万4千人になります。滞在時間が1時間で、14時間稼働とすると、毎時千人の対応能力が必要であり、メインのアトラクションの滞留時間が10分とすると、166人のキャパが必要です。これを4部屋で分散処理すると、一部屋で40人のキャパがあれば対応できます。キャパを増やすなら部屋数を増やせば対応できます。部屋を増やすコストは僅かです。

ここでのポイントはこのような娯楽施設でそれだけの顧客を呼べるコンテンツがあるかということです。他に名乗りをあげる会社が無いところを見るといないのでしょう。

するとこれを任天堂がやり遂げてしまえばもう競合するところはディズニーしかありません。しかし任天堂はディズニーとは正面からぶつかるコンテンツではありません。任天堂とディズニーは並立できるでしょう。

するとシステムの改良を繰り返す中で、任天堂のノウハウは溜まり続けます。

実はUSJでの本当の価値はこの唯一無二のノウハウの蓄積にあります。ハード技術はこれから発展します。しかしそれと娯楽を巧みに結びつけるには膨大なノウハウが必要ですし、そのためには莫大な開発投資の継続が必要です。世界で6箇所を運営すると仮定すると、年間で6百億円の投資、10年間で6千億円の投資です。これで黒字を出せなければ倒れますから、大資本といえども容易には挑戦できません。

任天堂がこれに成功すれば独占的なプルーオーシャンを形成できます。その利権は任天堂のものです。その総価値をどのくらいに評価するかということです。