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任天堂(株)【7974】の掲示板 2018/06/19

スイッチはサードのアプリが少ないから利益の伸びは期待できないという指摘がある。反対に、プレステはサードの売り上げが大きいから儲かっていると言いたいのだろう。それならサードのアプリが主体で儲かっている筈のソニーの数字はどうだろう。

プレステのアプリの最近の週販を調べると135万本だった。年末効果も考えて、これに70週を掛け、推定マージンの1000円を掛けるとだいたい1000億円という売上利益が割り出せる。。

ソニーが公開しているプレステ部門の利益は1700億円で、ここにはハード販売やネットサービスの利益も含まれているので、サードのアプリからの売上利益が1000億円だという推定は納得できる数字だ。

では任天堂がこの1000億円の売上利益を得るため、これからスイッチをプレステのように高性能化しサードを参加させるためにソニーとの泥沼の戦を始めても、後発だからせいぜい500億円も奪えればいいところだろう。しかし任天堂にとってこの数字は雑音でしかない。


任天堂のソフトの週販は88万本だ。その多くは自社ソフトだから売上利益は4000円くらいとして、これにも同じ計算式をあてはめると、売上利益2500億円になる。任天堂のアプリの週販はプレステのアプリの週販の約60パーセントしかないので、推定売上利益はプレステの2倍を超える。自社ソフト販売は儲かるのだ。(さらにネット販売になると売上利益は6000円になるので総売上利益は3750億円になる)

そこでスイッチとプレステの普及台数をみる。スイッチの台数は1750万台でアプリの推定年間売上本数は6160万本だ、これに対してプレステの台数は7970万台でアプリの推定年間売上本数は9450万本だ。
(もっと売れていると思うが、計算上はこうなってしまう。しかし売上利益から考えると、だいたいこんな感じかもしれない。ここれは全体の傾向を掴む計算なのでこれでご容赦ねがいたい)

これで何がわかるかというと、サードのアプリは収益にはあまり貢献せず、ソニーにとってもそれは同じであり、収益の基盤をネットサービスに移そうとしている理由がわかる。これは任天堂にとっても同じでサードのアプリによる収益の伸びしろは少ない。

要するにサードのアプリの多寡は華やかさの演出には効果があるかもしれないが、収益にはあまり貢献しない。そのためそんなものはあまり気にする必要はないということだ。

さらに、サードのアプリがあるとハードが売れるのかというと、その効果もあまり大きくない。そのために手間やコストをかけるほどのことではないということだ。サードの役割は華やかさの演出にかかせない刺身のツマのようなものだ。


ここで賢明な方々は気が付かれることがあるだろう。それはスイッチの自社ソフト装着率の高さだ。1750万台という母数に対して300パーセント強の自社ソフト装着率だ。ようするに一台に三本の任天堂の主力ソフトが搭載されていることになる。ゼルダ、マリカ8、スプラ、マリデという四本のうちの三本だ。(うちのスイッチも全部乗っている)

そして今年はこのリストにポケモン、スマブラ、マリパが加わる。さらに来年には新ポケモンが加わ。そして今年はあと一本、来年はあと三本加われば年間で四本の主要ソフトのリリース、三年で十二本の主要ソフトがリリースが実現され、三年サイクルでこれらが順に更新されると、長期の更新需要サイクルが確立されることは誰でも理解できる。その動きを追ってみる。

今年、2000万台のスイッチが売れると、そこでソフトは6000万本売れる。また既存の1700万台のスイッチでもポケモンなどが追加で二本買われると、既存機でソフトは2400万本売れ、ソフトの総売り上げは8400万本になる。

その翌年も、2000万台のスイッチが売れると、そこでソフトは6000万本売れる。また既存の3700万台のスイッチでも新作ポケモンなどが追加で二本買われると、ソフトは7400万本売れ、ソフトの総売り上げは14400万本になる。

この調子で毎年2000万台のスイッチが売れると、そこでソフトは6000万本売れる。また増え続けた既存のスイッチでも新作アプリが買われ二本追加されると考えると、仮に既存機が1億台だとソフトは2億本売れ、ソフトの総売り上げは2億6000万本になりる。

この2億6000万本のソフトの売上利益が4000円だとするとソフトだけの総売上利益は1兆円を超える。これに対して任天堂が完勝してもサードのソフトの貢献は1000億円程度だろう。ベストケースでもサードの任天堂の収益への貢献度は雑音にしかならない。