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(株)スリー・ディー・マトリックス【7777】の掲示板 2022/01/21

核酸医薬MIRX002、悪性胸膜中皮腫対象・医師主導P1治験で1例目に投与-広島大ほか

「アスベストが主要な原因、発症からの余命は約1年」
悪性中皮腫は、胸膜、腹膜、心膜、精巣鞘膜に発生する悪性腫瘍であり、胸膜が80~85%、腹膜が10~15%、その他の部位での発生は1%以下とされる。日本では1980年代半ばまでアスベストの輸入が行われていた。アスベスト曝露開始から発症までの潜伏期間が25~50年とされていることから、日本における今後の悪性中皮腫の発生ピークは2030年頃で、罹患者数は年間3,000人に、2018年時点で世界では、年間約3万870人が罹患し、2万6,278人が死亡しているとのデータがまとめられている。このように悪性胸膜中皮腫は、既存の治療法では十分な治療効果が得られず、発症してからの余命が約1年とされる。

「がん幹細胞・抗がん剤耐性がん細胞を抑制、多様な抗腫瘍スペクトル」
MIRX002核酸医薬は、ヒトの体内で合成される天然型のマイクロRNA核酸を用いた核酸医薬製剤。がんでの遺伝子異常により発現が低下したマイクロRNAを補充することにより、がんの増殖やがんの根幹細胞として知られている「がん幹細胞」などを抑制し顕著な効果を示す抗がん剤である点を特徴とする。MIRX002は、マイクロRNAと界面活性剤ペプチド「A6K」(株式会社スリー・ディー・マトリックスにより開発)を組み合わせたもので、投与時に調整して胸腔内に局所投与する。「A6K」は、マイクロRNAの分解保護とがん細胞への伝達を効率化させる界面活性剤ペプチドで、同社は治験薬として株式会社PURMX Therapeuticsに独占的にライセンス提供している。

MIRX002は、悪性胸膜中皮腫だけでなく乳がん、すい臓がん、食道がん、頭頸部がん、卵巣がんなど多様な抗腫瘍スペクトルを示すもので、将来的には悪性胸膜中皮腫のみならず多くのがん治療に貢献できる可能性がある。特に、MIRX002は、がん細胞を根絶させるために必要といわれている、「がん幹細胞」や「抗がん剤耐性がん細胞」の双方に顕著な抗腫瘍効果を示す。同薬剤の標的遺伝子の特定と腫瘍増殖抑制メカニズムの検討がなされ、正常細胞とがん細胞を明確に区別できる作用機序であることを明らかにしており、MIRX002副作用リスクも極めて少ないと考えられる。