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(株)ブイ・テクノロジー【7717】の掲示板 2018/03/22〜2018/04/03

中国BOE Technology Group(京東方科技集団)は、深圳証券取引所のファイリングにおいて、第10.5世代液晶パネル工場および第6世代有機ELパネル工場の投資計画を開示した。その主な内容は以下の通りである。

(1)液晶パネル工場:
 まず、合肥工場(B9)に続く2拠点目の第10.5世代液晶パネル工場「B17」(ガラス基板寸法は2940mm×3370mm)を武漢に建設する。総投資額は460億元(約7750億円)を予定し、BOE出資額は60億元(出資比率:13%)。生産能力はガラス基板投入ベースで12万枚/月とし、主にテレビ向けに65型/75型の4K/8Kパネルを生産予定。稼働開始は24カ月後の2020年上期を目指す。B17工場については、装置の納入開始が2019年第3四半期、量産開始が2020年第1四半期と想定する。B17工場のフル稼働が想定される2021年第4四半期には、BOEの大型液晶パネルの生産能力シェアは19%と、LG Displayと並び世界一の水準になると予想されている。このLG Displayの生産能力シェアには、第10.5世代液晶パネル/有機ELパネルへの投資を織り込んでいる。2019年~2021年における大型パネルの面積ベースの生産能力は、2018年に前年比5.8%増、2019年に同10.4%増、2020年に同16.2%増、2021年に同9.6%増と高成長が見込まれている。

(2)有機ELパネル工場:
 成都工場(B7)と綿陽工場(B11)に続く3拠点目の第6世代有機ELパネル工場「B12」(ガラス基板寸法は1500mm×1850mm)を重慶に建設する。総投資額は465億元(約7850億円)を予定し、BOE出資額は100億元(出資比率:21%)。生産能力は4万8000枚/月とし、スマートフォンや車載向けのほか、ノートパソコン向けなどで折り畳み可能(foldable)なパネルの生産を目指す。生産能力では、Samsung Displayには及ばないが、LG Displayを抜き2番手となる。
 稼働開始は28カ月後の2020年下期を予定する。B12工場については、装置の納入開始が2019年第3四半期、量産開始が2020年第2四半期と見ている。主要装置の発注は2018年第3四半期ごろから始まる。BOEはB7工場とB11工場、B12工場の合計で、スマートフォン向けパネルを年間2億5000万枚生産できる能力を得る。同社はこのほかにも2~3拠点ほど追加で投資する可能性があり、中小型向け有機ELパネルにおいてもSamsung Displayを抜き首位に立つことを目指しているもようだ。

 中央政府や地方政府の資金支援を背景に積極的な能力増強を続け、大型基板の生産基地を2ケ所保有するBOEやCSOTに対し、LG Displayは世界最初の第10.5世代有機ELパネルへの大型投資など有機EL基板拡大など技術力による差異化を図っている。鴻海グループは、広州や米国での第10.5世代液晶工場建設やシャープブランドのテレビ拡販など、量とシャープブランドによる差異化で対抗する。

 今後のVテクの受注拡大に期待が膨らむ。