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(株)ゼンショーホールディングス【7550】の掲示板 2021/09/28〜2022/04/19

成長促進剤を使うアメリカ産豚肉「ダウナー」状態の豚を食肉加工する例も
2022/01/10 16:15

 日本のお隣・台湾で「豚肉」が話題になっている。国民党政権下の2006年、「痩肉精」と呼ばれる添加物を与えられたアメリカ産の豚肉が禁輸されたが、政権交代した民進党・蔡英文総統が2021年1月にこれを撤廃。輸入を再開したものの、それを再び禁止しようという案が出されたのだ。

 痩肉精とは動物用の医薬品「ラクトパミン」のこと。いわゆる成長促進剤の一種だ。豚では北米や南米、アジアなどの26か国・地域で使用が認められている。ラクトパミンによる健康被害を不安視し、「毒豚」と呼んで輸入しないよう訴える人たちは多いという。

 台湾の国会に相当する台湾立法院では、この「毒豚」を巡って、アメリカとの関係性を重視する与党と、輸入再開に抗議する野党が激突。投票の結果は、“毒豚”再禁輸は否決されたが、51%対49%という超僅差。台湾ではいまでも“アメリカの豚肉を食べると危ない”という認識は広く共有されている。

 さて、ひるがえって日本。このラクトパミン入りの豚肉は、さして問題視することなく、平然とスーパーに陳列され、加工食品にはたっぷりと使われ、食卓にも並んでいる。

赤身の肉好きは注意が必要
 日本でも高級ハンバーガー店などを中心に、《ホルモンフリー牛肉を使用しています》などと掲げる店も見かけるようになった。肥育ホルモンや成長促進剤の有無は、日本では牛の方が注目されているようだ。食肉問題に詳しい東京大学大学院農学生命科学研究科教授の鈴木宣弘さんが話す。

「アメリカ産をはじめとする輸入牛肉は、肥育時にエストロゲンなど成長ホルモンが投与されています。肥育期間が短縮でき、エサ代が節約できるからです。しかし過剰なエストロゲンは乳がん細胞を増やす原因だと指摘されている。

 札幌の日本人医師の調査では、市販の米国産赤身牛肉からは国産の600倍ものエストロゲンが検出されたと報告されています。EUはホルモン投与のアメリカ産牛肉の禁輸を続けており、輸入をやめた後の7年間で乳がん死亡率がなんと45%も減った国があるとのデータがあります」

 かたや、日本では国内での成長ホルモン投与は認可されていないものの、輸入については“ザル”だ。つまり、「国産牛」や「ホルモンフリー」でない限り、成長ホルモンが残留した牛肉の可能性が高い。こうしたなか、注目されていない豚肉は盲点であり、落とし穴といえる。実は、豚肉こそ気をつけなくてはならない食材なのだ。食の安全に詳しいライターの小倉正行さんが説明する。

「アメリカ産の豚肉は精肉として直接スーパーに並ぶことは牛肉と比べて少なく、加工用に振り分けられていることが多い。たとえば味付け肉や、とんカツなどの加工食品はアメリカ産豚の場合が結構あります。アメリカ産は日本向けの豚肉の成長促進剤としてラクトパミンを使っています。心臓の神経伝達に影響を及ぼす物質で、循環器の疾患を持つ人が食べたら心停止もありえるといわれています」

 そんなラクトパミンについて米ボストン在住の内科医・大西睦子さんが解説する。

「家畜はエサを食べて、栄養とエネルギーに分配するわけですが、その場所と割合を変える飼料添加物がラクトパミン。筋肉細胞に蓄積されるたんぱく質の量を増やし、脂肪を除去する速度を高めます。その結果、体の大部分が赤身のたんぱく質になる。数週間使用すると、この効果はピークに達して効きにくくなるため、販売直前の時期に与えられます」

 つまり、食卓に届く食肉に残留しやすい可能性があるのだろう。「もう年だからお肉の脂身が苦手なのよ」「私は赤身のお肉が好きだわ」そんな会話をしたことのあるかたは要注意だ。

 続いては、成長促進剤漬けになった豚自身に起こる異変から、輸入豚肉のリスクを考えていこう。

ダウナーの豚という恐怖
 動物の自然な生態に逆らい、赤身を増やす薬を投与すると、豚自身にも負担がかかる。その結果、歩けない豚、倒れてしまう豚が増えているという。

「ラクトパミンはもともと、人間の喘息の治療のために開発された『β-アゴニスト』という種類の薬でした。成長率を高めることがわかって動物用に使われるようになりました。米食品医薬品局(FDA)はラクトパミンが約25万件の豚の有害事象と関係したと報告しており、これはほかのどの動物用医薬品よりも多い数。投与された豚は歩けなくなったり、立てなくなったり、震え出したり、多くの病気に見舞われたとの報告があります」(大西さん)

 ラクトパミンにより豚が倒れる「ダウナー」と呼ばれる状態のまま屠畜場に引きずり込まれ、食肉加工されることもあるという。

 安全性の懸念から、EUの全加盟国だけでなくロシア、中国を含む約160か国が豚に対するラクトパミン使用を禁止または制限している。とはいえラクトパミンについては国際食品規格の策定等を行う「国際コーデックス委員会」による基準値が定められており、それ以下の残留は問題ないとされている。日本に堂々と入ってきているのは、この基準の“お墨付き”があるからだ。

「たしかにコーデックス委員会で定められているのですが、この委員会での決定は科学的根拠ではなく、投票による多数決なんです。薬剤を使用したいアメリカの製薬会社がロビー活動をし、委員を買収するなど活発に動いた結果ともいわれています。この基準はアメリカの意向で定められたと言っても過言ではない」(鈴木さん)

※女性セブン2022年1月20・27日号

米国産の牛肉も豚肉も空気がしなくなった。IR担当の方、見てますか?国産牛、豚を使ったメニューを開発してくだされ。値が高くてもよろしゅうございます。取り締まり役会に進言願います。