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太陽誘電(株)【6976】の掲示板 2019/11/09〜2019/11/21

日経新聞 電子版 「記者の目」 ご参考まで。  (2/2)

自動車向けの販売比率が小さい点も貢献した。自動車向けコンデンサー市場に参入したのは2011年。「後発組であるため、自動車向けの顧客数や販売点数がまだ少なく、影響が小さかった」(同社)という。自動車向けの需要が落ち込む中で、販路開拓で出遅れていたことが好業績につながった点は手放しでは喜べない。
今後のコンデンサーの期待には、まず次世代通信規格「5G」に関連する需要がある。大量のデータを送受信する通信基地局向けの設備には多くのMLCCの需要が見込める。加えて、販路を開拓途上の自動車向けも、EV(電気自動車)が普及するほど需要が広がりそうだ。従来の中堅クラスのガソリン車では1台あたりの電子機器などに入るMLCCの使用量は約3000個。これがEVでは電子制御部分が一気に増えるため、7000個まで増える見通しだ。
同社は自動車向けのMLCCの市場が23年3月期に19年3月期と比べて1.9倍に伸びるとみている。コンデンサーの販売先として自動車と情報インフラ(通信基地局など)向けの売り上げ構成比を19年3月期の39%から23年3月期までに50%に高める目標をかかげる。新潟での増産など21年3月期までの3年間で1500億円の設備投資を計画している。
株価は米アップルの新型スマホの販売が好調な点が材料視され、年初来で2倍強の水準まで上昇している。もっとも、決算翌日の12日の株価は通期の業績予想を上方修正しなかったことなどから11日終値比で2%の上昇にとどまった。10月の台風19号で福島にある子会社のコンデンサー工場が浸水。年内には生産を再開する見込みだが「生産ダメージは合理的に算出できない」(増山津二取締役)として2020年3月期の業績見通しを据え置いた。コンデンサーが主力事業であるのは今回は強みになったが、事業の集中がリスクになる場面もある点には目配りは必要だ。    (了)