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インフラ修繕 8割未着手
技術者ゼロの自治体3割に 予算縮小、民間活用カギ
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全国の地方自治体が管理するトンネルや橋の8割が老朽化に伴う修繕に着手できていないことが分かった。自治体の3割は土木・建築関係の技術職員が一人もいない。土木予算は縮小傾向で計画的な修繕ができず、損傷が見つかってから手当てするので費用が膨らむ悪循環に陥っている。地域に本当に必要なインフラを選別し、民間との協力で人材を補う改革を急ぐ必要がある。
国土交通省の2019年3月末時点の調査によると、全国に1万カ所あるトンネルの4割、72万カ所ある橋の1割が早急に修繕が必要な状態にあった。
このうち地方自治体が所管し修繕が必要なトンネルは約3千カ所、橋は約6万カ所ある。ただ修繕に着手しているのは橋で20%、トンネルで24%にとどまる。コンクリートの中の鉄筋があらわになっていても修理ができず放置されているものなど、見た目にも危険な状態にある施設が多い。
インフラ修繕には点検や修理を担う人材が必要だが、地方自治体はその不足も深刻。国交省によると全国1741市区町村のうち、土木・建築関係の技術職員が一人もいない自治体は19年4月時点で448と全体の26%に上る。市区町村の土木・建築を担う専門人材は05年に10万5千人いたが、18年には9万人と1割超も減った。長野県中部のある村は橋やトンネルの点検や設計を民間のコンサルティング会社に委託している。村に技術職員がいないため土木工事などを行う際は、県の建設事業を担う外郭団体から助言をもらい判断材料とする。村の担当者は「複数の団体と連絡を取り合ってから事業に進むため、特に災害時にはスピーディーさに欠ける」と話す。劣化しきってからの修繕は損傷が少ない時に手当てするのと比べてコストが余計にかかる。国交省の試算によると損傷が発見されてからの「事後保全」と、致命的に劣化する前に修繕する「予防保全」を比べると、予防保全のほうが維持管理や更新費が3割少なくて済むという。国は予防保全を広めたい考えだが